PS5『ファイナルファンタジー16』のストーリーをクリアしたので、感想・レビュー!
日本を代表するRPGシリーズ『ファイナルファンタジー』のナンバリング最新作。
僕はFFシリーズを新作が出てすぐにプレイする経験がなかったので、今回初めての体験でした。
プレイした感想としては、全体的には面白かったけど人を選ぶ要素が多い作品だなと感じました。
ストーリーを見せることに特化したゲーム性、かつ、ストーリーのテイストが中盤から変わる印象なのは、合う人・合わない人の差がありそう。
ストーリーを見せることに特化したゲームづくりだけあって、ムービー中の演出は見ごたえがあったし、登場するキャラクターも(主人公パーティは特に)キャラが立っていて魅力的でした。
バトルはアクション要素がかなり強くなっており、スピーディかつ爽快な戦闘は結構楽しい。
相手の攻撃を回避・パリィしながら、派手な技をぶつけていくのは爽快感!
召喚獣同士でぶつかりあうバトルもド迫力!
PS5のグラフィックを活かした派手なバトルはさすがでした。
気になる部分としては、ストーリー展開ですね。
ネタバレは避けますが、中盤からストーリーのテイストが当初思っていたのと違う方向にいったので、そのあたりはギャップを感じました。
また、ゲーム全体がストーリーを見ることに主眼を置いたつくりになっている点は人を選ぶかと。
育成要素や探索要素が薄いので(特に1週目)、従来のRPG作品として見るならイメージが異なるかもしれません。
メインストーリークリアまでの時間は、多少サブクエストをプレイしつつで35時間くらいでした。
2週目から「強くてニューゲーム」など解禁されるので、アクション面に関しては2週目からさらに楽しめるつくりになっています。
概要とストーリー
概要
機種:PS5/PC
メーカー:スクウェア・エニックス
ジャンル:アクションRPG
発売日:2023/6/22(PC版は2024/9/18)
RPG『ファイナルファンタジー』シリーズのナンバリング最新作。
現状、PS5独占タイトルです。
「ヴァリスゼア」という世界を舞台に、ロザリア公国の第一王子である主人公「クライヴ・ロズフィールド」が戦乱の中で起きた悲劇に巻き込まれ、悲劇のきっかけとなる謎の召喚獣「イフリート」を追うことになり……というストーリー。
プロデューサーは『FFXIV』のプロデューサー兼ディレクターも務めた吉田直樹氏、 ディレクターは『ラストレムナント』などの高井浩氏が担当。
バトルシステムはアクションRPG。
主人公であるクライヴを操作し、召喚獣の能力などを駆使しながら戦うスピーディなアクションとなっています。
ボスとの戦闘などの特殊なバトルでは召喚獣同士のバトルが行われ、巨大な召喚獣が激突し、ド派手な戦いが繰り広げられるのもポイント。
ストーリー
終焉に向かう大地「ヴァリスゼア」
唯一の加護は「マザークリスタル」
ヴァリスゼアに生きる人々はクリスタルから供給されるエーテルにより魔法を生み出し、
日々の暮らしを成り立たせていた
しかし、限りあるその加護は国家による奪い合いも生み出した……
各国はマザークリスタルを求め、
召喚獣の力とその力を宿す「ドミナント」を使役し戦を始める
ロザリア公国の第一王子「クライヴ・ロズフィールド」もまた、
マザークリスタルをめぐる戦乱へと巻き込まれるのであった
過酷な運命を背負ったクライヴは、やがて世界の真相を知り、
マザークリスタルの破壊を目指していくことになる……これはクリスタルの加護を断ち切るための物語。
公式サイトより
良かった点
見ごたえあるムービー演出・キャラたちの魅力を味わえるストーリー!
ゲーム中のムービーシーンが多い今作。ムービー中の演出が見事で、見ごたえ十分でした!
迫力あるバトルシーンは見せ方も凝っていて楽しく、熱さを感じる場面もあって圧巻。
映像作品としても面白かったです。
特に召喚獣周りのエフェクトの派手な演出が印象的で、CG映像のクオリティの高さを感じました。
また、キャラクター同士の会話シーンなどのエモーショナルな部分も良かったです。
あえて詳細を語りすぎず、静かにキャラクターの心情を想像させてくれる演出などもあって、映画的な見せ方で個人的に好み。
あと、登場キャラは好きなキャラが多かったですね~。
主人公のクライヴが良い意味で落ち着いていて頼りがいがあるし、ヒロインポジションであるジルは芯の強さ・優しさを感じる美しさがあるし、頼れるイケオジのシド、愛嬌のある相棒ポジションのガブなど……特に主人公パーティ周りはキャラが立っていて良かったです。
世界観はダークな割に主人公周りの人々が良い人ぞろいなので、結構明るくストーリーを進めることができました。
それと、トルガルは忠犬でかわいい。
スピーディで派手なバトルがやりごたえある!
スピーディで爽快感のあるバトルは面白く、やりごたえがありました。
僕はアクションを中心に遊べる「アクションフォーカスモード」でプレイしておりましたが、ちょうどいい難易度でした。
(ちなみに、バトル中の諸々の操作を部分的にオートにできる機能もあるので、アクションが苦手な方もプレイできるようになっています)
敵の攻撃を回避したり、タイミングに合わせて受け流す(いわゆるパリィ)と、素早く反撃できたり、一時スローモーションになるなどのシステムがあり、スピーディなアクション系ゲームで定番の要素は結構揃っていました。
ガチのアクションゲームに比べると多少物足りない部分はあれど、ストーリー主導のRPG作品でこの手のアクション要素をしっかり入れたバトルを用意してくれたのは嬉しい。
個人的には適度な難易度で、ちょうどいいやりごたえでした。
ボス戦とかでは何度かやられたりもしましたが、その場合は回復薬が補充されて直前からリトライできるので、あまりストレスになりませんでした。
召喚獣による攻撃が派手で見た目的にも楽しめるのは良いところ。
エフェクトが派手なので、攻撃したときに気持ちいい。
ストーリーが進むにつれて召喚獣が増えていくシステムになっており、後半に行くにつれ新しい攻撃方法を覚えるのは面白かったですね。
ド派手でド迫力な召喚獣バトル!
ボス戦で発生する召喚獣同士の特殊なバトルはド迫力!
人間とは比べ物にならないくらいデカい存在同士がぶつかり合って激しいし、戦闘中に派手な演出がよく差し込まれることもあって、テンションは上がります。
召喚獣バトルの時はイベントバトルとなり、通常のバトルシーンとは操作がちょっと変わるのも良いアクセント。
クライヴを操作しているときとは、戦闘のスタイルが変わるので個人的には新鮮で悪くなかったです。
気になった点
ストーリーのテイストが中盤くらいから変わるのは好みがわかれる
ストーリーのテイストが中盤くらいから変わった感じがしたのが、本作で一番気になった部分。
具体的には、「陰謀渦巻く混沌とした世界で生きる人々の姿を描く海外ドラマみたいなテイスト」から「仲間との友情で世界の危機に立ち向かう少年漫画的テイスト」に変わった感じ。
どちらが良いとかいう話ではなく、1本の作品の中で大きく方向性が変わった印象だったので、「あ、こういう話だったのか!」というギャップはありました。
プロローグ部分のストーリーで今作に強く引き込まれた分、そのようなギャップを強く感じたのかもしれません。
最後までプレイしてみれば「FFらしい話かも」という印象になりましたが、序盤で感じていた「ベアラーに対する差別が存在している世界」「ドミナントという強大な力を持った存在を各国が保有し、国同士で争いあっている」などのダークな世界観の中でどう立ち回っていくかという展開がとても好きだったので、序盤~中盤のテイストで全編ストーリーを描いてほしかった気持ちはあります。
終盤も熱い展開やグッとくるシーンはあって好きなのですが、「個人的には好きな展開だけど、当初FF16に求めていた展開なのかな?」と思うときもあり、そういう意味ではFF要素はもっと薄くしても良かったかも。
最初からこの作品は「FF」のストーリーだと理解したうえで、プレイすればもっと楽しめたかもなあとクリアしてから思いました。
育成・探索要素は薄め
育成要素はありますが、かなり薄い。
スキルポイント制度はありますが、覚えられるスキルがそこまで多くないのと、召喚獣を覚えるたびにちょっとずつ増えていくため、頻繁にスキルを割り振る必要性も感じませんでした。
装備もストーリー進行に合わせて強化しておけば最後まで戦えるので、メインストーリー中であえて素材を集めて武器を強化……といった必要は基本的にありません。
探索要素もストーリー1週目をやった感じでは、そこまで探索の重要性を感じませんでした。
オープンワールドゲームではないことは知っていましたが、探索する場所はあまり多くなく、また、探索したくなるようなスポットも特にはなかったですね。
各地に出没する特殊な敵「リスキーモブ」討伐などの要素はありますが、ゲームに探索要素の面白さを強く求める方には今作は物足りないかもしれません。
ゲーム全体がストーリーを見せることに特化したつくりになっているのは、どの部分に力を入れるかを振り切っていて、ある意味潔いとは思いました。
召喚獣バトルが長い
召喚獣バトルはド迫力なのですが、さすがに長いなと感じるときはありました!
敵が固くてなかなか倒せないのと、なんだかんだ3段階くらいバトルする展開があったりするなど、1度のバトルで20分~30分くらいかかります。
バトルが長引いてお腹いっぱいな気持ちになるときもあったので、今のバトルの6割~7割くらいのボリュームだとちょうど良かったなと正直感じました。
ついでにいうなら、召喚獣バトル以外でも、雑魚敵との連戦が妙に続く場面や、中ボス的存在が意外とタフな部分など、もうちょっとコンパクトにした方がちょうどいいのにな…と感じるところは節々にありました。
(もうお腹いっぱい…ってなってるところに「もう一杯おかわりあるよ!」ってされる感じ)
まとめ
気になるところはありますが、全体的には面白く遊べたアクションRPGでした!
ゲームのつくりが、ストーリーを見ることに主眼が置かれているつくりのため、ストーリーが合うか・合わないかでかなり評価が変わりそう。
その上、ストーリーに対する印象も序盤で抱いていたイメージと、中盤以降の内容でテイストが変わる感覚を抱いたので、そのあたりを許容できるかどうかでも評価が変わるかなあ。
そういう意味では、なかなか人を選ぶゲームだなと思いました。
(過去にFFシリーズに触れたことがある人なら、比較的すんなり許容できると思う)
個人的にはストーリーも楽しめたし、中盤以降もなんだかんだ熱い展開や感動的な展開もあって好きな個所はありましたね。
エンディングも結構好き。
アクション面も軽快かつ派手で爽快感のある戦闘が楽しめて、結構楽しめました。
僕からすると簡単すぎず、難しすぎずでちょうどいい難易度でした。
傑作とは言いづらい面はあるものの、魅力的な部分の多い良作だと感じました!
興味ある方はぜひプレイしてみてください。
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