ちょっと前に、映画『教皇選挙』を観てきました!
公開から日数が経っているにも関わらず、僕が観に行った劇場では連日満員!
ちょうど最近、バチカンで実際に教皇選挙が行われたこともあったし、注目度が上がっていたのかも。
結構面白かったです!
次のローマ教皇を決める教皇選挙「コンクラーベ」をテーマにしたミステリー。
コンクラーベというもの自体、僕はほとんど知らなかったので興味深かったです。どういうやり取りや流れで教皇を決める選挙が進んでいくのかが描かれていたのがまず見ごたえありました。
ビジュアル面も素晴らしく、舞台であるシスティーナ礼拝堂の内装や枢機卿やシスターの方々の衣装などが凝っていて良い!世間から隔絶された、まるで別世界のような空間が表現されていて雰囲気づくりがお見事。
そして、教皇の座を巡り候補者たちの陰謀が交差する政治劇が緊張感満載でスリリング!
次から次へとスキャンダル発覚や問題が発生し、有力な候補者が脱落していくドロドロとした人間模様は下世話かもしれないけど面白い。合わせて、人間の愚かさや弱さも見せつけられるようで「おお……」と、いたたまれない気持ちに。
あと、コンクラーベを取り仕切るローレンス枢機卿の姿があまりに大変そうで印象的でした。
まるで、大組織の事情に振り回される管理職の苦労を見ているようで切実!
全体的には面白かったですが、序盤は登場人物の顔と名前が一致しないまま話がどんどん進むので、そこはちょっと混乱しました。
それと、詳細は避けますが一部の展開が思ったほど自分に刺さらなかった部分はありましたね。
この記事では映画『教皇選挙』の感想をまとめていきます!
極力ネタバレは避けていますが、一部内容に触れているところがあるので気になる方は注意!
概要
全世界14億人の信徒を束ねるキリスト教の最高指導者・ローマ教皇。次代の教皇を決める秘密選挙「コンクラーベ」の舞台裏と、候補者同士の熾烈な政治劇、次々に起こる急展開と明らかになる真実の中で、動乱の選挙戦を描いたミステリー。
第97回アカデミー賞で脚色賞を受賞し、日本では3/20に公開。
監督は『西部戦線異状なし』で高い評価を得たエドワード・ベルガー。
出演は、レイフ・ファインズ、スタンリー・トゥッチ、ジョン・リスゴーなど数々の名優が揃います。
ストーリー
全世界に14億人以上の信徒を有するキリスト教最大の教派、カトリック教会。
公式サイトより
その最高指導者にしてバチカン市国の元首であるローマ教皇が、死去した。
悲しみに暮れる暇もなく、
ローレンス枢機卿は新教皇を決める教皇選挙<コンクラーベ>を執り仕切ることに。
世界各国から100人を超える強力な候補者たちが集まり、
システィーナ礼拝堂の扉の向こうで極秘の投票が始まった。
票が割れるなか、水面下で蠢く陰謀、差別、スキャンダルの数々に
ローレンスの苦悩は深まっていく。
そして新教皇誕生を目前に、厳戒態勢下のバチカンを揺るがす大事件が勃発するのだった……。
感想

「コンクラーベ(教皇選挙)ってこういう感じで行われるんだ~!」って興味深さと、教皇の座を巡る政治闘争劇がスリリング!
知的好奇心と面白さが入り混じった感覚でした。
まず、僕自身が「コンクラーベ」についての知識がほとんどなかったので、その内容や舞台裏が描かれたのが興味深かったです!
密閉されたシスティーナ礼拝堂へ、教皇に次ぐ地位の高位聖職者である「枢機卿」が集まり、投票数の3分の2以上を獲得する人物が出るまで繰り返すという仕組み。
条件を満たす人が決まらなかったら、決まるまで何日も投票を続けることもあるってのが力業で驚きました!(いつまでも決まらなかったら参加者してる人全員が超しんどそう……!)
コンクラーベの模様が全編にわたって描かれるので、多少脚色されている部分はあるかもしれませんがシステムや流れをざっくりと理解できて面白かったですね。

ビジュアルや空間づくりも素晴らしい!
システィーナ礼拝堂の内部のセットや、枢機卿・シスターといった登場人物全員の衣装も凝っており、ビジュアル的に見ごたえありました。
普段生活しているとあまり見ることのないようなものばかりで、隔絶された世界観が出来上がっていて強く印象に残ったところ。
要所要所の静かな雰囲気も没入感ありましたね~!
シーンと静まり返って、呼吸音だけが響き渡るようなヒリヒリした空気。スクリーンからも緊張感が伝わってくるようで、こちらも自然と見入ってしまう。
ストーリー面も面白かったです。
教皇の座を巡り、候補者たちの陰謀が交差する政治劇が繰り広げられてスリリング!

カトリック教会は全世界14億人の信徒を抱えるキリスト教派なので、その超巨大な集団のトップであるローマ教皇を決める選挙がすんなりと決まることはなく。
候補者のスキャンダルが明かされたり、他の候補者を陥れようとした陰謀が暴かれたりして、有力候補者が続々と脱落していくドロドロした人間模様。
ある種下世話だけど「どの候補者が残るのか!?」って面白さもあるし、教皇を決める神聖な選挙で描かれる人間の愚かさや弱さといった一面は、「おお……」となんともいえない複雑な気持ちに。
厳かで非現実的に見える空間でも、ドロドロした政治や野望が渦巻いているのが「人間だなあ」と思わされ、理解できる気持ちといや~な気持ち(褒め言葉)が胸に浮かびます。

あと、これほどの大人数が関わるイベントを取り仕切るローレンス枢機卿の大変さがしのびない。
癖の強い候補者ばかりだし、陰謀が渦巻いて空気もギスギスしてるし、次から次へと予期せぬトラブルが舞い込んでくるしで苦労が伺える。
見ているとなんだか、超巨大企業の管理職の人が各所の調整に奔走させられる様子が浮かんできて、「これは大変だなあ……」と切実に思いましたね。
組織で人々の調整関係で苦労したことある人とかだったら、もっと共感できるのかもしれない。
でも、ローレンス枢機卿に対しても票が徐々に入っていって……?って展開が面白く、ローレンスの存在は今作の魅力の1つでした。
ローレンスを演じるレイフ・ファインズさんをはじめ、俳優の皆さんの存在感や表情が抜群でした。
ただ、前評判が高かっただけに、序盤は期待しすぎたかなって気持ちは正直ありました。
はじまってすぐに登場人物が次々と登場するので、候補者や周辺人物の名前が顔と一致しないまま話が進んでいくので、特に序盤は置いてけぼりになるところでした。
基本が会話劇中心のため、派手なシーンが少なく静かな場面の方が多め。それ自体は悪くないんですが、状況が掴めず静かなシーンが続くと眠気を感じた時があったのは否めない。
公式サイトに登場人物の関係図が掲載されていたので、これに目を通しておけば序盤からすんなり理解できたかも?
あと、詳細は伏せますが一部のシーンの展開は思ったほど自分には刺さりませんでした。
なるほどなあ、とは思ったけど、体感として強い衝撃を感じたってほどではないみたいな。おそらく、もっとキリスト教とか文化に詳しかったら別の感想を抱いたのかなとは思いました。

物語自体は思っていたよりシンプルで、登場人物の関係さえ軽くつかめれば問題ない楽しめるはず。
いろいろと想像する要素もあり、鑑賞後に余韻を感じられる作品でもありました。
内容的に面白かったし、コンクラーベが実際に行われたタイムリーな時期なだけに、今見るのはおすすめです!
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