映画『君たちはどう生きるか』感想 これはいったいなんだ……!?ある意味忘れられない映画体験が味わえて面白かった

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映画『君たちはどう生きるか』を観てきました!
ジブリ新作・宮崎駿監督作というビッグタイトルなのに、公開日まで映画に関する前情報ほぼ無しという異例の広告展開で公開された今作。

どんな内容の映画なのか全く分からない状態だったこともあり、逆に内容が気になって公開初日に映画館に行ってきました。
(まんまと広告展開に引っ掛かっている気がする……)

僕はジブリに詳しいわけではないため(有名どころを見ているくらい)、考察はなしで個人的な感想を書いていきます。

事前情報がない映画のため内容の感想自体がネタバレになるので、ネタバレ気になる方はご注意ください。

ネタバレなしの範囲で言うならば……SNSが広く浸透した今の時代に、事前情報をほぼ得ることなく新作映画を見る経験は珍しかったので、面白い映画体験でした!

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感想(ネタバレあり)

正直、ストーリーについては理解しきれていないところがいっぱい。
どういう話だったかを聞かれてもちょっと困るような不思議な内容でした。
他人の夢の話を映像化したような突拍子のなさ・奇妙さがあって、僕では言葉にするのが難しかったよ……!

意外とシンプルな物語だった気もしますし、考察ポイントが色々含まれた作品でもあるような変わった作品でした。
万人受けする映画ではないのは確か。

鑑賞前に、『君たちはどう生きるか』というタイトルからメッセージ性の強い作品になるのかと思っていたところがあったのですが、想像していたよりは冒険活劇作品だった印象。

物語の展開に触れながら順に鑑賞時の感想を書いていくと……

事前情報がなかったので、冒頭で戦時中の日本が舞台ということが分かった時に「これは『風立ちぬ』みたいな感じの話になっていくのか?」と思っていました。
特に冒頭のシーンのアニメ―ションは迫力があり、火災が立ち上る中で人々がうごめく様を圧巻の描写で描いていたので思わず引き込まれました!

序盤は「戦時中の話なんだなあ」とか「父親の声、キムタクじゃん!」とか「姉が無くなって、妹と結婚するのって今の価値観から見ると驚きだな」とか思って観ていると、そこから中盤くらいまでは疎開先の家での出来事が描かれるため、「戦争の中で生きる人々を描く話ではないのかな……?」と戸惑いました。

このパートが割と長い尺だったので、「あれ、この作品どういう話になるんだろう?」と少々混乱。
主人公の眞人が自分の考えをあまり話さない寡黙な人物だし、急にアオサギが出てきて眞人に不思議な言葉を投げかけたり、急にアオサギとのバトルが始まったりと、展開に翻弄されました。
眞人に大量のカエルが張り付くシーンは不気味でインパクトあったなあ。

あと、眞人が石で自分の頭を殴って血が垂れてくるところの、流血のドロッとしたリアル感がなんとも嫌でしたね(褒め言葉)
眞人の行動自体も突飛だったし、思わずギョッとしました。

それからなんやかんやで異世界での冒険パートに。
ここらへんで、現実で悩む少年が異世界での冒険をきっかけに自分自身と向き合っていく系の話なのかな、と気づきました。
こういうタイプの作品は時折ありますが、異世界に入るまでの尺が結構長かったので不思議な感覚でした。

異世界での話も正直よく分かってないところが多々ありますが、憎たらしげで見た目も中年のおじさんにしか見えないアオサギとの友情が育まれていくのは、愛嬌があって結構好きでした。

他にも、一緒に異世界に入ったおばあさんが若返って味方になっていたり、異世界で出会った超パワーを使用する少女の正体が、実は眞人を生んだ母親(前の母親)の少女時代の姿だったりと、いろいろと情報量がありすぎて翻弄されました。

個人的に印象に残ったシーンは、前の母親が元の時代に帰るところ。
自分が戦火での火災によって亡くなる運命だと分かっていても、それでも元の時代に帰る姿になんだか感慨を受けました。
過酷な運命が待っていたとしても、それでも眞人が生まれるならと納得して進んでいく姿が強く、印象的に感じました。

終わり方はあっさりと終わって驚いた。
「え、ここで終わるの!?」という衝撃が強くて、EDの米津玄師さんの曲が全然頭に入らない。
(曲自体は良い曲だった)

観終わってからも、どういう話だったのか分かったような分かんないようなで何とも言えない感覚。
2回目を観たらもっといろいろ分かりそう。

ただ、分からないところが多い作品だったとはいえ、観て損したかというとそんなことはありませんでした。

事前情報がない中で「どういった作品になるんだろう」と劇場に行き、映画が始まってからも「これはどういう物語になっていくんだ……!?」と期待や不安が入り混じった映画体験は久々に味わえて新鮮でした。
こういった経験は、いま劇場で観たからこそ味わえる体験だと思いましたね

鑑賞後に他の人の感想や考察を見ると、いろんな見方が味わえるのも面白い。
そういう意味でも鑑賞料金以上の価値はあったと個人的には感じました。

映画の楽しみ方は色々あると思いますが、今作は1本の映画の中で起承転結がはっきりとしたエンタメ作品を期待していくとギャップが大きいかと思います。
(ファミリー向けではないかな……)

映画を観た上で感想や考察に思いを巡らせるのが好きな人や、他の人とああだこうだと意見を交わすのが好みな人は楽しめるかも。
僕は結構楽しめました!

↓この表紙の子、全く関係なかったね……

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