PS5『聖剣伝説Visions of Mana』の感想・レビュー!
プレイ時間35時間ほど。
1991年の初代から続く歴史の長い『聖剣伝説』シリーズの新作タイトル。
リメイクやリマスター作は時々出ていましたが、完全新作としては約16年ぶり!
まさに『聖剣伝説』の新作!と感じる手触りや雰囲気は強く印象に残りました!
色彩豊かなグラフィックや丁寧なキャラクターモデリング、王道ファンタジーな冒険の中にほのかに切なさを含むストーリーなど魅力に感じるポイントはいろいろ。
往年のファンタジーRPGを思い出すような空気感も個人的には嬉しく、雰囲気の良さが光るアクションRPGでした。
バトル部分もアクションRPGとして手堅い面白さ。
ハイスピードすぎない戦闘なので難しすぎず、程よいアクション性で間口は広い。
全体的に遊びやすかったです。
3人パーティー編成で戦闘中にキャラを切り替えながら戦えるシステムや、リングコマンドによるアイテム・魔法の選択、様々な効果を持つ「精霊器」を用いた技など、要素が揃っていて戦闘が単調にならないようになっていたのは良い!
ただ、気になる点もいくつかあります。
ストーリーは少々薄味に感じたかな。
スロースターター気味な展開や予想のつく展開、「御子」の設定はいまいち乗り切れない部分はありましたね。
でも、仲間キャラ達は魅力あると思いましたし、そもそも今作のストーリーの目指しているところと僕自身の求めているものが少々異なっていただけかもしれない。
あと序盤で特に感じたのは、ムービーが差し込まれる頻度が高めな部分。
場所によっては、ちょっと進むたびにムービーが入るのでテンポ感が気になった箇所もあります。
他には、戦闘中のカメラワークの悪さやプレイ中にボタンが反応しないわずかな待機時間が意外と気になるなど、細かなストレスを感じる場面があるのは目に付く部分でした。
最新のアクションRPGとして見た場合は少々物足りない部分や気になる点はあります。
ですが、世界観や雰囲気づくりが良く、新たな『聖剣伝説』を丁寧に作ろうとした感じがプレイ中に伝わってきて嬉しさが大きかったです!
ストーリークリアまでの時間は約35時間。
途中うろうろしていた時間などもあるので、大体25時間~30時間くらいでストーリークリアまではいけるんじゃないかな。
サブクエストやクリア後のハードモードなどもあるので、個人的には満足なボリュームでした!
『聖剣伝説Visions of Mana』とは
発売日:8/29
メーカー:スクウェア・エニックス
ジャンル:アクション
対応プラットフォーム:PS5/PS4/XSX/PC
『聖剣伝説 VISIONS of MANA』は、スクウェア・エニックスの誇る『聖剣伝説』シリーズの約16年ぶりのシリーズ完全新作。
今作のテーマは「原点回帰」。シリーズおなじみの「マナ」と「聖剣」を巡るファンタジーが描かれるアクションRPGとなっています。
主人公のヴァルは、御子に選ばれた幼馴染のヒナや旅の中で出会う仲間達と共に、遥か遠くにそびえる “マナの樹”を目指すストーリー。
今作は、彩り豊かで温かみのあるグラフィックや広大なセミオープンフィールドが特徴。
フィールドには様々なギミックやモンスターたちが待ち受け、精霊の力を使った立体的なアクションバトルが楽しめます。
良かった点
色彩豊かなグラフィックやキャラクターモデリングが丁寧で雰囲気が良い!
色彩豊かなフィールドや温かみのあるデフォルメ調のキャラクターグラフィックなどが絶妙な雰囲気!
リアル調じゃないからこその絵本のようなファンタジー世界観は特徴的。
色とりどりな光景に加え、雪原や森林、火山や砂漠などロケーションも豊富なので、どことなく往年のファンタジーRPGを思い出すような懐かしさと冒険のワクワク感があって心地よい。
特に、聖剣伝説を象徴する「マナの樹」の光景を見たときは、新しいゲームだけどなんだかノスタルジーを感じる不思議な高揚感がありました!
昔、聖剣伝説2をSFCでプレイした時のことをちょっと思い出しました
フィールドはかなり広大というほどではないけど、それなりに広い。
マップの中では素早く移動できる「ピックル」などの動物に乗って移動することもでき、フィールドを駆け回りながら宝箱を探すといったRPGの楽しさを味わえたのは良かったです。
服装の細かい部分まで作られたキャラクターモデリングも丁寧!
キャラごとに用意された8つのクラスチェンジによって衣装が変わり、クラスによって印象がかなり変わります。
バリエーションが思っていた以上に用意され、多彩な系統の衣装が見れたのは思わぬ収穫!
作品の雰囲気を大事にした丁寧なつくりによって作品世界に没入しやすくなると思うので、これらの点はすごく好感をもてる部分でした!
堅実な面白さがあるアクションバトル
バトルはオーソドックスなアクションRPGで堅実な面白さ!
スピーディすぎず高等なボタン操作を求められず、適正レベルなら割と力づくでも倒せるバランスは遊びやすい。
(僕は難易度ノーマルでプレイしました。ハードならもっと歯ごたえある戦闘を味わえるかな)
戦闘は3人パーティ制で、戦闘中にキャラの切り替えが可能。
アイテムや魔法を選択する「リングコマンド」を開いている間は戦闘の流れが一時停止します。
なお、頻繁に使用するアイテムや魔法はショートカットコマンドに登録できるので、リングコマンドをあまり使わずに戦闘することも可能。
キャラの体力が減ってきた時や敵の弱点属性を考えるときなどに、リングコマンドを開けばじっくりアイテムや魔法を選べるので、じっくりと戦い方を考えられます。
アクション性を求めすぎていない分、プレイの敷居の低さにも繋がっているかも。
「精霊器」というアイテムを使うと火や水などの属性技を使え、これがなかなか強い!
時を止める精霊器などもあり、戦闘に変化がでたり有利に進める手段にもなって面白かったです。
また、クラスチェンジをするとキャラの攻撃パターンが変わるものもあり、戦い方に変化が出るのも良いポイント。
例えば、片手剣系だと身軽な動きだけど、大剣系だと重みのある攻撃動作になるなど。
他にもゲージが溜まると必殺技が使えますし、戦闘スタイルを変えたり敵の属性との相性を考える要素もあったりと、戦闘のバリエーションと程よい爽快感があって結構楽しめました!
おとぎ話のようなストーリーとキャラクター同士の掛け合いが印象的
ストーリーは徐々に話が動く王道ファンタジーといった印象でした。
おとぎ話のような温かさやほんのり切なさを含む展開などは、個人的な「聖剣伝説」のイメージと合っていて結構好み。
マナの樹へ旅立つ運命を背負った「御子」に選ばれた仲間たちと、「魂の守り人」として御子を守る決意を秘めた少年ヴァルが、マナの樹を目指す旅を描いたストーリー。
御子の魂を捧げることで世界の平穏が保たれている世界で、登場人物たちもその価値観を持った状態で話が進むので独特な印象はありました。
冒険の中で様々な出会いと別れがあるのは往年のファンタジーRPGを彷彿とさせ、SFC~初代PSあたりのRPG作品のエッセンスを感じてノスタルジックな気持ちに。
また、パーティのキャラクターの魅力も良かったです!
性格がいい具合にばらけたパーティになっており、ムービー中や道中など仲間同士の掛け合いを聞きながら冒険をする楽しさが味わえました。
主人公のヴァルやヒロインのヒナが正統派で心の綺麗なキャラなこともあり、感情の大きな変化などが少ない序盤はキャラの個性を感じにくかったのですが、徐々に仲間が集結してくると仲間同士の会話も増えてきて魅力が増していきました!
特にムードメーカーで関西弁口調の元気っ子「カリナ」や、クールで実直な振る舞いと優しい心を持つ獣人「モートレア」加入から賑やかに!
他にも、聡明で頼りになる女王「パルミナ」(作中で誰も指摘しないけど妙に衣装がセクシー)や、おっとりとした性格だけどヴァル達との出会いで運命に立ち向かうようになった「ジュリ」など、個性豊かな面々!各キャラのCVもぴったり。
僕は元気っ子で色んな感情を素直に見せてくれるカリナや、のほほんとした雰囲気で中性的な佇まいのジュリが、見た目的にも性格的にも好みでしたね。
それぞれのキャラが旅立つきっかけなどもストーリーで描かれるので、その分感情移入しやすいのもGOOD!
クラスチェンジやエレメンタルボードといった育成要素が充実!
育成要素も充実していてやり込みがいがある!
レベル上げや装備の変更をはじめ、属性ごとのクラスに変更できる「クラスチェンジ」やクラスごとのアビリティを好きに選んで習得できる「エレメンタルボード」、装備するとアビリティを使用可能になる「アビリティシード」など様々。
これらの育成要素のおかげで、プレイヤーの好きな編成やビルドを組めるのはやりがいあり!
特にクラスチェンジは大きな要素!
キャラごとに1つだけ装備できる「精霊器」を身に着けることで、物理能力の上昇や特定の補助能力が身に付くなど各精霊器に応じた能力が発揮されます。
また、属性ごとに習得できるアビリティをポイントで習得できる「エレメンタルボード」では、アビリティを獲得してキャラの性能強化や技を習得できるし、1つの属性を伸ばすか色んな属性のアビリティを獲得するかなど、好みの育て方ができるのも考える楽しさがありましたね。
「精霊器」はメニュー画面で好きに付け替えができるので、どういうパーティ編成にしてキャラをどう育成していくのか試行錯誤が好きな人なら、とても楽しめるポイントかなあと。
僕は好きな衣装や使いやすい能力を見つけると集中的に伸ばしたくなるタイプなので、自分にとって好みな見た目&使い勝手のいい能力を持ったメンバーで終盤は進めることが多かったですね~!
好みが分かれる点・気になった点
ストーリーは少々薄味に感じる
ストーリーはスローペースかつ予想しやすい展開で薄味に感じたところはありました。
王道ファンタジーならではの安心感はあるものの、個人的には「もう一捻り欲しい……!」と思っちゃいました。
また、御子が魂を捧げるのが前提の世界観であり、登場人物の多くがその価値観に沿って進む展開が長めなのは、気持ちが乗りづらい面も正直ありましたね。
この手の世界観の作品だと、「なぜ運命のために個人の命を世界に奉げるのか」などと葛藤するポジションのキャラが主人公側にいて、ストーリーが進む中で価値観や感情が揺れ動くってことがありがちですが、今作は思った以上にそういう話にならなくて独特でした。
葛藤や価値観の変化が全く描かれないわけじゃないんだけど、登場キャラたちの姿はストレートに捻りが少なく物語が進むので、そのあたりは好みが分かれそう。
どちらかというと、ファンタジーRPGに初めて触れる人がターゲットなのかも。
ただ、作品の温かな雰囲気ながらシリアスな設定やほんのり切なさを含むストーリーは『聖剣伝説』っぽいイメージを感じて、原点回帰って意味ではありだなと思います。
中盤くらいまでムービーが度々差し込まれるのは少々気になる
序盤に特に感じたのですが、ムービーが差し込まれる頻度が高めに感じました。
場所によっては、ちょっと距離を進む⇒ムービー⇒ちょっと距離を進む⇒ムービーといったこともあるので、テンポ感は気になります。
ムービーのクオリティは丁寧で悪くない印象なのですが、合間合間にムービーが入るくらいなら一気に見せてよ!と思った瞬間も。
もっと自由に移動させてほしいと思う場面はありましたね。
中盤以降はフィールドが広がるなどで、そこまで気にならなかったかな。
ストーリー重視かどうかなど、プレイスタイルによってどれくらい気になるかは個人差があると思います。
操作やカメラワークに細かなストレスを感じる
プレイ中にボタン操作できないわずかな待機時間があるのは小さなストレス!
バトル中にアイテムや魔法を使用する時とかに、ワンテンポ待機する瞬間があり、スムーズにコマンド入力できないときがあるのが意外と気になる。(レスポンスの反応が鈍いのかも?)
体力ギリギリのときに回復が間に合うかってタイミングの時にこれに出くわすとちょっとね……。
あと、ロックオン時のカメラワークが悪い時があります。
対象の敵が上手く見やすい位置に収まらず画面の端とか見づらいアングルになってしまって戦いづらく感じる時も。
スピードが速いタイプの戦闘ではないとはいえ、動き回るアクションではあるのでカメラワークはもう少し使いやすくしてほしかった部分でした。
他にも、街中では2段ジャンプできないとか、乗り物で移動するときに毎回短いムービーが差し込まれるとか、セーブポイントが決まっているとか、大きな欠点じゃないけど微妙に気になる部分はいくつかありましたね。
割と力押しでいける戦闘バランスなのでパーティ編成や育成が活きづらい面も
これは好みが分かれるポイントですが、難易度ノーマルだとそこまで育成や弱点属性などにこだわらなくても力押しで倒せるバランス。
アクションに慣れていない人でも遊びやすく間口の広さはあるとは思います。
ただ、自分だけの最強ビルドを組んで強敵を倒すみたいな場面はあまりなかった印象でした。
僕は育成ガチ勢じゃないのでそこまで気になりませんでしたが、せっかく育成部分もいろんな要素が揃っているので、もう少し活かす場面があるともっと育成の魅力も味わえたんじゃないかなとも思います。
ハードモードがあるので、編成や育成にこだわる人はそちらでプレイしてねってつくりなのかもしれません。
まとめ:難しすぎず遊びやすいバランス
率直な気持ちとして、丁寧につくられた『聖剣伝説』の新作が遊べたってのは嬉しかった!
『聖剣伝説』は歴史が長いシリーズだけど、『聖剣伝説4』の内容面の不評などが話題になりがちなので、しっかりとつくられた『聖剣伝説』の新作が令和にリリースされたってのは感慨深い。
グラフィックやキャラクターモデリングを始め、作品全体の雰囲気が良く、『聖剣伝説』ならではの世界観が味わえるファンタジーアクションRPGで良かったです。
バトルでは3人のキャラを切り替えたり、「精霊器」を使ったアクションなど単調にならないような要素が揃っていてなかなか楽しかったですね。
難易度ノーマルだとそこまで難しくないので気軽にプレイしやすい。
振り返ってみると、全体的に遊びやすいゲーム内容だったなあと。
難しすぎず少々力押しでも進められる難易度、分かりやすいし展開が緩やかに進むストーリーなど、プレイの期間がちょっと空いた時でも再開しやすかったのはありがたい。
最新のアクションRPGとして見ると多少物足りなさはあるかもしれないけど、往年のファンタジーRPGの雰囲気も感じられる遊びやすい作品としては結構好みでした。
社会人になってなかなかゲームをする時間がとれない時も多くなったので、むしろ今作は僕のプレイスタイルに合っていたかも。
シリーズ作品が好きな人にも、懐かしのファンタジーRPGの雰囲気を感じつつプレイしやすいアクションRPGを探している人も楽しめる内容になっていたと思います!
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