最近観た映画の感想です。
今回観た映画は『THE FIRST SLAM DUNK』。
日本中にバスケ人気を起こした伝説の大人気漫画『スラムダンク』。
90年代にアニメ化された作品が、2022年に原作者井上和彦先生の監督・脚本でまさかの映画化!
昨今、往年の名作漫画のリバイバル作品が増えてきたとは言え、原作者が監督で新作映画がつくられるとは想像していませんでした!
僕は物心ついた時には漫画連載もアニメ版の放映も終わっていたので直撃世代ではありませんが、学生時代に初めてスラムダンクを読んだときに、あまりの面白さに思わず全巻そろえた思い出がある程には大好きな作品。
(個人的に、今まで読んだ漫画作品の中ではスラムダンクが一番好きですね)
そんなこともあり、スラムダンクの映画化には興味を惹かれましたが、あまりに前情報が少ないことや、公開間近にアニメ版からの声優変更発表による賛否両論の騒ぎなど、期待半分不安半分で公開を迎えましたが……
想像以上に面白かったです!
バスケアニメ映画としてかなりクオリティ高く、熱中して鑑賞していました。
ただ、原作漫画を読んでいるとストーリーに少々気になる点があったのも正直なところ。
概要
概要
原作・脚本・監督は井上雄彦。
原作漫画の作者が自ら制作を手掛けるという結構珍しい例。
アニメーション制作は東映アニメーションとダンデライオンアニメーションスタジオ。
声優陣は仲村宗悟、笠間淳、神尾晋一郎、木村昴、三宅健太など。
過去のテレビアニメ版とは声優は総変更されています。
ネタバレなし感想
観るまでは正直不安はありましたが、バスケアニメ映画としてとても面白かったです!
今作はCGアニメで描かれており、バスケの試合シーンでのキャラクターの動きはとてもリアリティがあって、目を見張る臨場感でした。
CGに関しては、見始めた際は少々違和感もあったのですが、井上和彦先生の絵柄に近い雰囲気があって良かったし、キャラクターの動きや見せ方に迫力があったので、どんどん見入りました。
試合中のSEや息遣い、ここぞというときにかかるBGMなどの演出が合わさって、テンションが上がるバスケの試合をたっぷり見せてくれます!
映画館のような音響の良い場所で観るのがおすすめ!
手に汗握る展開の連続で目を離せないシーンも多かったです。
ストーリーは、原作漫画自体がとても面白い作品なだけに映画版も原作の展開と新たに描かれるシーンを交えて、結構上手くまとめられている印象でした。
原作漫画で描かれていたキャラクターの新たな魅力が深堀される展開もあり、スラムダンクという作品の魅力がさらに増した感じ!
ただ、スラムダンクの完全な初心者向けの作品かというと、そうとも言い切れない部分は多少あるかも。
作品の大体の流れは理解できると思いますが、メンバー紹介が丁寧にされるわけではないので、映画版だけだと「あのキャラクターってどういう人だったんだろう?」みたいな感じになる可能性はあります。
とはいえ、バスケシーン自体のクオリティが高く、質の高いスポーツ作品としての面白さは存分に味わえるかと思います。
(映画を観た後に原作漫画を読むっていうのもありですし!)
気になるところは、回想シーンの差し込みによってテンポが悪く感じるところがあること。
スポーツ系の作品で時々見られることですが、試合中に回想シーンが定期的に差し込まれることで、スピード感のある試合展開にストップがかかってしまう感覚があるのはもったいない。
回想シーンで描かれるストーリーは味わい深く面白いと思ったので、構成をもうちょっとなんとかしてほしかった気持ちは少々ありますね。
あと、原作漫画を読んでいると、あそこのシーン欲しかったな!みたいな気持ちには正直なりました。
今作のストーリーが悪いわけではないのですが、もっと求めたくなる贅沢な気持ちは出てきてしまいますね。
(詳しくはネタバレあり感想の方で記載します)
声優陣は個人的には合っていると感じたので、変更に関して特に思うところはありませんでした。
(僕がアニメ版未視聴ということもあるかもしれませんが)
桜木花道役の木村昴さんは声質が特徴的で、ちょっと癖があるなとは感じましたが慣れましたし、他のメンバーの声優陣も結構良かったです。
そもそも、試合シーンではそこまで台詞が多いわけではないので、あまり気になりませんでした。
色々書いてきましたが、やはりバスケシーンの迫力は面白かったし、スラムダンクの映画化は嬉しかったし観て良かったです!
キャラクターの動きや音の演出なども良かったので、大スクリーン&良い音響環境で観ると魅力が増す作品だと感じました。
気になる方はぜひ!
ネタバレあり感想
※ネタバレありで書いているので気になる方は注意してください
・今作のプロモーションが情報を全然出さないタイプだったので映画観るまではどんなストーリーか知りませんでしたが、まさか宮城リョータ視点多めのストーリーで、湘北VS山王戦を描くとは!
・映画の題名に「ファースト」ってついているから、てっきりオリジンとか前日弾的な話をやるのかと思ったら、バリバリ名勝負回のアニメ化やないかい!
・漫画版の山王戦自体が一切無駄のないくらいの名シーン・名セリフ連発の伝説回なので、これをアニメ化してくれたということ自体が嬉しい……!
・OPの手書きの湘北メンバーが一人ひとり井上和彦先生タッチの手書き演出で登場⇒山王メンバーが登場という展開のワクワク感は良かった!思わずテンション爆上がり。
・宮城リョータ(以下りょーちん)を主軸としたようなストーリー構成になっているため、りょーちんのバックボーンが深堀されるのは興味深かったですね。スラムダンクは相手校含め魅力的な人物がたくさん登場するので、原作者の手で新ストーリーを見せてくれるのは嬉しい。
・たしかに考えてみると、りょーちんがバスケが上手くなった理由などは原作だと他の湘北メンバーほど詳しく語られていない印象だったので、りょーちん視点のストーリーというのはあり。
・りょーちんの過去が思っていたより重かった……。
バスケを行う理由に、亡くなった兄貴との記憶があんなに絡んでいるとは。キャラクターのバックボーンがより鮮明になって、より味わいが増した気がします。
幼少期の出来事や、三井との出会いなど、より詳しく過去を描いてくれたのでもっと見たかったくらい!
・ただ、試合中に回想シーンが所々差し込まれるのが、スピーディーな試合のテンポ感を削いでいる部分もあるように感じて少々もったいない。
・原作漫画の山王戦自体が、展開が目まぐるしく変わる面白さがあって、無駄の少ない構成になっていたので、今回の回想シーンの追加がテンポを悪くしているような印象に正直感じました。
・あと、山王戦とりょーちんの過去の話が繋がりにくい部分もあるとは感じました。
山王戦がスラムダンクという作品で最後に闘う最強相手チームなので、これまでの湘北チームが積み重ねてきたものをぶつけ、作品内で描いてきた展開の集大成となるような物語だったので、宮城リョータ個人の話がメインとなる映画版の構成だとちょっと嚙み合わせが悪い印象。
・もちろんりょーちんのストーリーが悪いという訳ではなく、漫画では「湘北メンバー全員」の物語のゴールとして山王戦がとても素晴らしく描かれていたので、相対的に個人の話を主軸とする映画版の構成に嚙み合わせの悪さをちょっと感じたというだけ。
・それだけスラムダンクは名シーンが多すぎるんですよねえ……。
映画版でも見たかったシーンをいくらか見せてはくれましたが、魚住乱入とか「今度は嘘じゃないっす」とか、あのシーン入ってないのかい!と思ってしまう自分もいるのは確か。
・映画のストーリーにまとめるにあたって取捨選択する必要があるとは分かっているとはいえ、ついつい欲張りな気持ちが出てしまった……。
・バスケシーンのリアリティある動きや、迫力のあるカメラアングルなどはかなりこだわって作られていて、スポーツ作品としてとても楽しい。
スピーディーに状況が変わる試合展開がドキドキして面白く、特に後半は手に汗握る展開が多い!もう一回観に行きたいくらい!
・最後の方になると台詞はほとんどなく、アクションで映画に見入らせてくれるのも凄い。
最後のハイタッチに至るまでの流れは本当に良い……!
これを観ることができただけでも、映画館に行って良かったなという気持ち。
・最後に今作のプロモーションについての個人的印象も書いておくと、内容伏せ過ぎだし、前売り券売り切ってから声優発表など、全体的にあまり良い印象は抱かなかったですね。
特に声優発表のタイミングなどは、不要にこざかしい印象を受けて、作品の出来が良いだけにもったいないなと。
・これだけ凄いクオリティでつくってくれるなら、贅沢言えば長編アニメでスラムダンクをつくってほしいくらいにとても楽しめた作品でした!
・りょーちん以外のキャラクターの説明がそこまでされないので、スラムダンク初見の人にはちょっとキャラクターをつかめないところもあるかもしれませんが、バスケシーンのクオリティはとても高いので楽しめるんじゃないかと。
・映画きっかけに漫画の方に入る人が増えたりすると嬉しいですね。名作漫画なので!
ジャンプ原作で試合シーンに見入ったアニメ映画ならこちらもおすすめ!
同時期話題のアニメ映画といえばこちらも
その他の映画感想はこちら
コメント