『神業 盗来 -KAMIWAZA TOURAI-』のエンディングに到達し、一区切りつくまでプレイできたので、感想・レビュー!
僕がプレイしたのはSwitch版。
義賊になって盗みを行う「ステルス泥棒アクション」というゲームシステムは、他のゲームではあまり体験したことのないプレイ感で独特の面白さ!
「ステルス」と銘打ってますが、結構強引に突破してもOKなゲームバランスは嫌いじゃない。
試行錯誤を楽しむシステムが、プレイするごとにスルメゲー的にじわじわと楽しくなってきます。
ミッションを受け、期限内に行動することでエンディングが分岐するシステムで、いかに時間をかけずにお金を得られるミッションを選ぶか、ミッションで得たお金を何に使うかなど、考えて色々やるのが面白い!
周回プレイし、各エンディングを回収したり、アイテム収集を楽しめる人には合っています。
反面、粗も多いゲームであるのは確か。
PS2時代のリマスター作品なので、今プレイすると古さを感じる点や、元々のゲームシステムからあった欠点が目に付きやすく、万人向けの作品とは言い難いところも……。
それでも、PS2時代のゲームにあった独特のバカゲー感は、今なお他のゲームでは味わえない魅力を感じます。
ゲームシステムを理解してくると繰り返しのプレイが面白くなる魅力があり、この作品の復活を待ち望んでいた人がいるのも分かりますね。
クリアまでのプレイ時間は15時間くらい。
全部のEDを見るなら20時間以上はかかるかと。
概要
機種:Switch/PS4/PC(Steam) メーカー:アクワイア ジャンル:ステルス泥棒アクション 発売日:2022/10/13
2006年にPS2で発売された『神業-KAMIWAZA-』のリマスター版。
義賊である主人公・海老蔵となり、人々を助けるために様々な技を駆使して悪党から盗みを行うステルス泥棒アクション。
ゲームの流れは、エリアごとに区切られた小さな箱庭のステージを舞台に、ミッションに応じてエリアを移動し、特定のアイテムを盗み指定の場所に収納すれば報酬がもらえるという感じ。
リマスター化に伴い、グラフィックのフルHD化やテクスチャのリファインによる画質向上、オートセーブ機能の追加、各種チュートリアルの調整などが追加され、遊びやすくなっております。
ストーリー
時は江戸末期、東北地方を根城として名を馳せていた義賊集団
『銀鴉衆(ぎんがらす)』。その1人として義賊の道を夢見る若き盗賊『海老三(えびぞう)』は、銀鴉衆の仲間が、忍び込んだ屋敷の住人たちを無残に殺す姿を目撃してしまう。
失意の中、屋敷内で出会った少女『すずな』を守ると決意した海老三は、信頼する兄貴分の『藍之助(あいのすけ)』のすすめのまま、すずなを連れて街を去る。それから十年。
堅気の仕事である大工を生業として、親を亡くしたすずなを養ってきた海老三と、明るく健気な娘に育ったすずな。
貧しいながらも平穏で幸福な暮らしだった。しかし、重い病にかかってしまい、高価な薬が必要になったすずなのため、再会した藍之助と共に義賊『藍三団(あいぞうだん)』を立ち上げ、海老三は再び泥棒稼業に手を染める。
盗むのは娘のため? 貧困にあえぐ民衆のため? それとも己の欲のため?
商品説明より引用
海老三の行く先に待ち受ける運命は!?
良い点
独自の魅力を放つステルス泥棒アクション
敵に見つからずに次々と華麗に盗みを行うアクションは慣れると気持ちいい!
「ステルス泥棒アクション」と銘打っていますが、強引に進めても結構なんとかなるバランス。
「ジャストステルスシステム」があり、敵に見つかった瞬間にボタンを押すと残像を残して見つからないように移動できるので、タイミングよく対応できればガンガン進めます。
むしろ、アクティブに突き進んで一気にアイテムを回収するのが爽快感!
また、ゲームを進めていく中で「盗み技」や「隠れ技」といった技を増やしていく、スキル獲得のような要素があります。
技を習得すれば、段差に姿を隠せたり、突っ張り棒のように壁と壁の間に突っ張って敵の視界から逃れるといった芸当も可能!
ビジュアル的にもインパクトがあり、バカゲー感を味わえるのは面白いです。
風呂敷を使ったアクションもあり!
盗みを行うごとに主人公の抱える風呂敷が大きくなり、風呂敷を持っているだけで相手に怪しまれてしまいます。
風呂敷の扱い方もゲームを上手く進めるための重要な要素。
大きくなった風呂敷は蹴り飛ばして、敵キャラをぶっとばしたり、あえて敵の近くに飛ばして注意を風呂敷へと反らすことが可能。
これらのアクションを駆使して「いかに相手に見つからず盗みを行えるか」というゲーム性はなかなか新鮮で楽しい!
江戸末期を舞台とした世界観や舞台が独特の雰囲気
江戸末期を舞台に、真面目にやっているようでちょっとおバカなノリも感じる和風世界観は、他のゲームでは味わえない雰囲気で面白い!
ストーリーは真面目なはずなのですが、独特でシュールなノリが全編から漂っており、個人的には懐かしさを感じるノリ。
(『絶体絶命都市』とかPS2時代はこういう感じのノリのゲームがいくつかあったなあと)
登場人物は主人公の「海老蔵」を始めとして、イケメンや美女というより味のあるキャラクターが色々出てくるため、独特の癖の強さがあります。
ストーリー自体が凄く印象的な内容というわけではないですが、記憶に残るキャラクターや場面は結構あったかな。
ゲーム全般に漂う独特な雰囲気は人を選ぶ部分はありつつも、最近、真面目さとシュールさが合わさった雰囲気を味わえるゲームに出会えてなかったので、プレイした価値はありました!
周回の中で試行錯誤を繰り返すのが面白いゲーム性
今作は1周目からベストエンディングに行くのは少々難しいと思います。
むしろ、1周目はゲーム性を理解するのがメインで、サクッと進めてしまった方がいいくらい。
「どのミッションを受けるのか」「ミッションで得たお金を何に使うか」(盗んだものを換金して自分のお金にするか、村に配って住人の信頼を得るかなど選べる)「どのアイテムを購入するか」など結構考えるところは多い。
僕は1週目の時、娘の病気を抑えるための薬のお金を工面するのに気を取られすぎて、途中でゲームオーバーになってしまいました。
(指名手配のレベルが上がりすぎて途中で捕まった)
ゲーム性を理解すると、「どのミッションをやれば、短い時間でお金を沢山稼げるか」「盗んだブツを自分のお金に換金するか、自分の村の捧げものにするか」「得たお金で薬を買うか、街の元締めにお金を渡すか、盗みのためのアイテムを購入するか」……など試行錯誤して自分なりに効率の良いプレイを見つけていく楽しさがあります!
プレイするたびに面白みが増していくスルメゲー的魅力があるゲーム性でした。
気になる点
あくまでPS2のリマスターなのでグラフィックやシステム面などで古さを感じる部分はある
ロード時間の短縮など遊びやすくなっている部分があるとはいえ、元はPS2のリマスタータイトルなので今プレイすると古さを感じる場面は多かったです。
特にグラフィックは、当時でもグラフィックが優れているタイトルではなかったので、リマスターされているとはいえPS3時代のようなグラフィックの印象を受けました。
今だとインディーズゲームでもかなり美麗なグラフィックのゲームも珍しくないので、今プレイすると気になる点ではあります。
システム面でも、今プレイすると痒いところに手が届かない感じのところがあります。
特に周回プレイ向けのゲーム性の割には色々スキップできない点など(チュートリアルステージが飛ばせないところなど)は、正直面倒に感じましたね。
(正直、現代のゲームシステムに合わせて、リメイク作として出して欲しかった気持ちはある)
ステージ数・アクションが少なく感じる
「街」「港」「神社」「城」のようにエリアが区切られており、それぞれのエリア同士が繋がっていて、ミッションの度に該当のエリアへ向かって盗みを行う……というのが基本的な流れ。
エリア自体が狭いので、ミッションを何度もプレイしていると同じ場所を何度も行き来することになり、マンネリ感が出てきてしまうのは気になります。
同じステージで似たようなものを盗むミッションを何度もする時もあり、ミッションにもっとバリエーションが欲しいと感じましたね。
アクション面も、そこまで豊富なアクションが行えるわけではないので、同じようなことの繰り返し感が出てくるのは惜しい!
もうちょっとアクション面でもバリエーションがあると、魅力が増したかもなあと思いました。
ボス戦はあまり面白くない
個人的に、ボス戦はあまり面白くなかったです。
「なんでボス戦入れたんだ!」って思うくらいにはゲーム性にあっていないと正直感じるときも。
ゲームのアクセントとして、普段の盗みを行うミッションとは異なる趣向のステージを入れることは良いと思うのですが、本作のアクション的に1VS1のボスバトルはあっていない感じ。
ステルス泥棒アクションなのに、なんで狭いステージでタイマンをやらせようとするのか……。
基本的に、敵を直接攻撃して倒すゲームシステムではないので、敵に攻撃を与えてもあまり爽快感はないし、ボスを倒せないとゲームオーバーになって進行できない微妙に難しい難易度が腹立たしい。
何回かゲームやめようかと思いましたね……!
ボス戦で、敵の投げてくるものをタイミングに合わせて打ち返す、というシチュエーションがあるのですが、距離感が掴みづらく何度ゲームオーバーになったことか。
連戦するタイプのボスもおり、負けたら初めから戦う必要があるのも難しい要因の1つ。
リマスターに際して、なんらかの救済装置があればもっと遊びやすかったんじゃないかなあ。
まとめ
今プレイすると色々と粗を感じる部分もありますが、このゲームでしか味わえない魅力を感じられるところもあり、気づいたら何度もプレイしているゲームでした!
プレイ当初より、ゲームシステムを理解してくると面白みが増すスルメゲー的要素を感じます。
バカゲー風な面白さもありますが、意外と渋いゲーム性でしたね。
誰にでもおすすめできるゲームとは言い難いし、現在のゲームに慣れていると古さを感じる面も多々ありますが、独特のゲーム性や世界観は今でも個性的!
興味ある方はぜひ!
(アクワイアさん、『忍道 戒』の復活もお願いします……!)
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