『AI ソムニウムファイル ニルヴァーナイニシアチブ』感想・レビュー|シナリオ構成に感嘆した良作アドベンチャーゲーム!2022年上半期トップレベルの満足度【Switch/PS/XBOX/PC】

ゲーム感想・レビュー
引用元:公式トレーラーより
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AI ソムニウムファイル ニルヴァーナイニシアチブ』をクリア!
僕がプレイしたのはSwitch版。プレイのほとんどを携帯モードでプレイしました。

前作『AI ソムニウムファイル』(アイソムニウムファイル)をXBOX Game Passでプレイしたら思った以上にシナリオが面白かったので、続編となる今作もプレイしてみたら……新たなアドベンチャーゲームの傑作に出会ってしまいましたね!

前作に引き続き独特のノリや癖のあるテイストなど人を選ぶ部分もあるのですが、奇怪な殺人事件から始まるストーリーは、全編にわたって先が気になる展開が続いて思わず没頭。
丁寧な伏線回収もあってクリアした時の満足度は高かったです。

捜査パートも前作以上に遊びやすくなっていたり、演出面がパワーアップしていたりとゲーム部分も面白くなっており、全体的にクオリティ面が向上。

お気に入りになったキャラもたくさん登場し、とくに今作から登場する相棒の「タマ」がビジュアル的にも性格的にも個人的に刺さりましたねえ!

気になった点はいくつかありますが、特に動作が重く感じる部分や短いロードが発生するところは、ゲームの快適さに多少影響しているように感じました。
(今後のアップデートで解消されるかも?)

クリア時間としては25時間くらいのボリューム。
やり込み要素とかも含めれば30時間くらいになるかと。

※ネタバレは避けておりますが、本編に多少触れる記載はあるので気になる方はご注意ください

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概要とストーリー

概要

機種:Switch/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC   
メーカー:スパイクチュンソフト
ジャンル:アドベンチャー
発売日:2022/6/23(Steam版は6/25)

公式サイト

前作『AI ソムニウムファイル』から3年ぶりの新作。
ジャンルとしてはアドベンチャーゲームで、現実世界を操作する「捜査パート」と対象者の夢の中に入り込む「ソムニウムパート」を行き来しながら、殺人事件の謎を追うストーリー。

捜査パート」では気になる場所を選択して進めるいわゆるポイント&クリック形式のアドベンチャーゲーム。

一方、「ソムニウムパート」では、制限時間の中で様々な選択肢から行動を選び、問題を解決していく構成。選択肢によって行動にかかる時間が変わるため、制限時間の中で最適な行動をとれるか、というパズル要素のあるパートです。

キャラクターは全員3Dモデルで表現されており、テキストを読み進めるだけでなく、キャラクターのモーションや演出も豊富なつくりになっているのでアニメを見ている感じで読み進められます。

ストーリーは前作に引き続き、『EVER17』『極限脱出』シリーズを手掛ける打越鋼太郎氏が担当。

ストーリー

最初に【右側】が発見されたのは、今から6年前のことだった。
中心からまっぷたつに切り裂かれた死体……。
当時どれだけ捜索しても、もう片方が見つかることはなかった。
それから6年後、行方がわからなかった【左側】が発見される。
時空を越えて現れた半分の死体……。
それはまったく腐敗しておらず、
まるでついさっきまで生きていたかのようだった。

特殊捜査班ABISの新人捜査官であるみずきと龍木は
パートナーの眼球型AI――アイボゥやタマとともに
過去と現在、夢と現実を行き交いながら
この【ハーフボディ連続殺人事件】の真相を解き明かすべく捜査を始める。

公式サイトより
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良かった点

進めるたびに先の展開が気になる丁寧な構成のストーリー

公式トレーラーより

二つの時間軸を舞台とした「ハーフボディ殺人事件」の謎を追うストーリーは終始面白かった!
序盤から中盤でばらまかれた謎を丁寧に回収していく丁寧な物語構成にも満足。

話を進めるたびに謎が深まっていくつくりで、次々と登場する謎や事件に出くわすたび「この事件は一体どういう結末を迎えるんだ……?」とのめり込んでいく面白さがありました。

そして、後半になるにつれ事件の全貌が徐々に明らかになっていき、予想していない事実が明らかになったりして驚きと感心しっぱなし!

前作に引き続き、ノリや下ネタが所々に含まれるテイストはちょっと人を選ぶ部分。

ただ、個人的には続編だったこともあり「もともとそういうテイストも含まれる作品」だと分かっていたため、割とすんなりとストーリーに入り込めました。
前作プレイ済みの方は特に気にならないかと。

アドベンチャーゲームをそこそこプレイする人には「なるほどな!」と思う場面もありますので、アドベンチャーゲーム好きはちょっと手を出してみてほしい。

ちなみに、前作はCERO Z指定でしたが今作はCERO C指定なのでバイオレンス描写は下がっております。(それでも題材は人体が真っ二つになる事件なんですが)
直接的なグロテスク表現などは減っています。

前作に勝るとも劣らない魅力的なキャラクター達

公式トレーラーより引用

前作から続投するみずきアイボゥといったキャラ以外にも、今作から登場する捜査官の龍木、その相棒であるタマ、みずきの友人であるダンス好きの女子高生の、役立つ場面が意外と多く憎めないキャラのライアン、見た目の印象が強いがダンディなさんなど……癖のあるキャラが今回も多数登場!

ストーリーの進行によって登場人物の内面や謎が解き明かされていくにつれ、意外な一面が見えたり、ストレートに感動する場面もあったりで、どんどん登場人物のことを好きになりますね!

EDが複数あり、それぞれのEDで受けるキャラの印象が変わったりするのも、上手いストーリー構成だなと思わされました。

公式トレーラーより引用

僕が個人的に特に好きになったのはタマですね!

見た目が銀髪褐色でちょっとセクシーな感じが好みなんですが、性格面も良かった。

Sっぽい部分がありながらも、ソムニウムパートなどで龍木に翻弄される場面もあるのも良い……。
感情に厚いところもあり、龍木のことを信頼している感じが伝わってきて、龍木とタマの良いコンビっぷりが見ていて楽しかったです。

中盤あたりで出番がもう少しあってほしいと思う場面もありましたが、今作から登場したとは思えないくらい馴染んでいたキャラでした。

また、今作ではみずきのバックボーンが明かされるなどの、前作キャラに対する深堀がされる要素もある点は前作プレイヤーには嬉しいところ。
とはいえ、ちゃんと説明があるので前作未プレイでも問題ないつくりになっております。

ソムニウムパートの演出面やプレイのしやすさも向上!

公式トレーラーより

ソムニウムパートの演出面やプレイのしやすさも向上しており、ゲーム面の面白さも前作からパワーアップしているのはGOOD!

対象者の夢の世界に入るソムニウム世界では、それぞれの夢の内容によって世界観がガラッと変わるのですが、今作では料理バトル風の世界、ポケモンGO的な世界、スリリングな世界など多彩な世界観が用意されていました。

基本的なゲームシステムは同じなのですが、世界に合わせて演出面もこだわっており、ポケモンGO風な世界ではポケモンバトルっぽい選択になるなど、工夫がこらされていて楽しかったです!

また、推理が難しいステージもありましたが推測が全くできないということはほとんどなく、総当たりになることなく自分なりに推測してクリアできたのは良い点かと。

どうしても正解が分からないときはヒントが用意されていたり、難易度調整によって制限時間をゆるくするなどの救済装置もあったので、幅広い層が楽しめるようになっていると感じました。

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気になる点

捜査パートの際のクリックするポイントが小さい

捜査パートで対象の人物や特定のポイントをカーソルで選択する場面があるのですが、場面によってはクリックするポイントが小さくて、選択しづらく感じることがありました。

捜査パートはいわゆるポイント&クリック形式(部屋の中から気になるオブジェクトをクリックする感じ)なんですが、ステージによっては選択ポイントが、まあ小さい。

必要な個所を調べないと話が進まないつくりになっているため、「なかなか見つからないなあ……え、ここなの?」となったこともあったり。

さらにswitchでプレイしているとスティック操作になるため、微妙な調整がやりづらかったです。
これに加えて、携帯モードだと画面が小さくなるのでストレスに感じるときもありました。
(マウス操作を想定しているのかな?と思わされたプレイ感覚)

場所によっては暗めで見づらい場面もあるので、もうすこしクリックするポイントが大きいと快適だったなと感じました。

短いロードが差し込まれる・動作が重く感じる時がある

それほど長時間のロードや動作が重すぎるというわけではないんですが、気になる瞬間はちょくちょくあります。

特にメニュー画面を選択したときに、微妙に動作が重くなるのは個人的に気になりました。

1回1回は特別重くはないのですが、微妙にゆっくりになる感覚は目につく。

僕は頻繁にセーブしながら進めるスタイルでゲームをプレイするので、メニューを開くたびに「あれ、微妙に重いな?」と思う回数が重なったので、より気になったのかもしれません。

ただ、このあたりは今後のアップデートなどで解決されるかもしれないので、今後に期待。
(プレイできていないので未確認ですが、switch版以外のハードであればもしかしたら動作が軽い可能性はあります)

随所に差し込まれるQTEアクションは好みが分かれる

前作にもありましたが、作中で各所にQTEアクション(ムービー中に操作を要求されるアクション要素)が用意されているのは好みが分かれるところかと思います。

ムービーを見ているとQTEアクションが急に差し込まれるため、ゆっくりムービーを楽しめないので個人的にはあまりQTEアクションは好みではありません。

今作の一部のシーンで、捜査パート中に見回りに来た敵から隠れるためにQTEアクションが差し込まれるシーンがあるのですが、ここは一番「このシーンQTEいるのか?」と思いましたね……。

前述したように捜査パートの際にクリックするポイントが小さいときがあるのに、時間が経過するとQTEアクションが発生する場面のときは参りました。

「対象のものがなかなか見つからないのに定期的にQTEアクションをする必要がある」という中々のストレスを味わったので、ちょっと投げ出しそうになりました……!

ただし、オプションでQTEの難易度変更なども可能なのでQTE苦手な方は調整することは可能。

まとめ

公式トレーラーより引用

前作同様、癖のあるテイストは健在しつつも、丁寧に練られたストーリー構成や前作からパワーアップしたソムニウムパートなど、クオリティ面が向上した良作アドベンチャーゲームでした!

特にストーリー構成には感心するところが多く、続きが気になる展開はもちろんのこと、アドベンチャーゲームならではのギミックが入ったストーリーは見事。

さすが名作アドベンチャーゲームを沢山作り出してきた打越さんの為せる技だなと……!
アドベンチャーゲーム好きの方には是非。

前作同様、癖のある作品なので万人にお勧めできるという作品ではないと思うのですが、好きな人は好きだと思うので気になる方はプレイしてみてはいかがでしょうか。。

前作からの登場キャラも登場しますが、今作内でストーリーは完結しているので前作をプレイしていない方も今作からプレイしても問題ないかと思います。
(可能なら前作からプレイするのをおすすめ)

このシリーズはプレイ後感が良くて好きなので、ぜひとも続編も出るように期待したい……!

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