映画『ルックバック』感想|心が揺さぶられ続ける濃厚な58分。映像化ならではの魅力も感じる心に残る傑作

アニメ映画
引用元:本予告より
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映画『ルックバック』観てきました!

原作漫画は発表当時に大きな話題になり、ネット上でも多くの感想を見かけた話題作。
僕も当時読んで衝撃を受けたし、色んな出来事を思い出して感動した思い出がありますねえ……。

映画版は上映時間が58分とかなり短めな内容。
原作が良かっただけに「どんな映画化になるんだろう」と期待と不安が入り混じりながら劇場に足を運びました。

鑑賞した結果……とても良かったです!
約1時間の尺とは思えないほど密度の濃い内容で、全般にわたって心が揺さぶられまくり。
気づいたら涙が流れていて、心に残る一作になりました。

この記事では、映画『ルックバック』の感想を書いていきます!
詳細なネタバレは避けていますが、多少内容に触れている箇所はあるので気になる方は注意。

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映画『ルックバック』とは

公式サイト

『ファイアパンチ』『チェンソーマン』など数々の話題作を手掛けた漫画家藤本タツキの読み切り短編『ルックバック』が原作。

ジャンプ+で『ルックバック』が公開された当時は、その内容から数多くの漫画ファンの中で話題になり、「このマンガがすごい!2022」のオトコ編第1位にも選ばれました。

学生新聞で4コマ漫画を載せていた小学生の藤野が、同学年で不登校の生徒・京本が書いた4コマ漫画の画力に衝撃を受ける。正反対の性格の2人は漫画に対するひたむきな思いからつながっていくが、やがてある事件が起きて……といった話。

監督・脚本・キャラクターデザインは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』や『風立ちぬ』といった数々のアニメーション作品に携わってきた押山清高が担当。

声優は映画『あんのこと』やドラマ『不適切にもほどがある!』などに出演した河合優実、映画『あつい胸さわぎ』などに出演した吉田美月喜が声優に初挑戦しています。

ストーリー

学年新聞で4コマ漫画を連載している小学4年生の藤野。クラスメートから絶賛され、自分の画力に絶対の自信を持つ藤野だったが、ある日の学年新聞に初めて掲載された不登校の同級生・京本の4コマ漫画を目にし、その画力の高さに驚愕する。以来、脇目も振らず、ひたすら漫画を描き続けた藤野だったが、一向に縮まらない京本との画力差に打ちひしがれ、漫画を描くことを諦めてしまう。

しかし、小学校卒業の日、教師に頼まれて京本に卒業証書を届けに行った藤野は、そこで初めて対面した京本から「ずっとファンだった」と告げられる。

漫画を描くことを諦めるきっかけとなった京本と、今度は一緒に漫画を描き始めた藤野。二人の少女をつないだのは、漫画へのひたむきな思いだった。しかしある日、すべてを打ち砕く事件が起きる…。

公式サイトより
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感想(詳細なネタバレなし)

本予告より

コンパクトな尺の中に内容が詰まっていて、終始引き込まれました。
没入しているうちに映画が終わり、スタッフロールの間はちょっとした放心状態に。

アニメーションによる動きと音楽の使い方が印象的で、原作とはまた違ったアニメならではの良さが出ていたように感じました。
絵柄も藤本タツキ先生の雰囲気が感じられて絶妙!

アニメーションでは、4コマ漫画の内容がアニメで描かれるシーンは面白かったです。
「漫画を描く人の頭の中ではこんなふうに色や動きが付いているのかも」と思わせてくれて、映像化ならではの長所だと思います。

あと、感情が込み上げてきたときに思わず身体が動く瞬間のアニメーションは丁寧で良かった!
藤野が帰り道を歩いている時に、思わず気持ちのままに動く様子は今作で特に好きなシーン。

原作でも好きな場面でしたが、アニメでは躍動感が生まれて気持ちがより視覚的に伝わってきます。

音楽もエモーショナルな気持ちにさせてくれてグッとくる!
ここぞという場面での使い方が良かったと思います。

特にエンディングで流れる曲は、言葉にできない余韻が生まれて浸っていました……。
讃美歌とも鎮魂歌とも言える感じでしみじみと聞き入らざるを得なかった。

(スタッフロールが終わりそうなときになっても涙が流れていたので、「泣き顔のままで場内が明るくなってしまう!」とちょっと焦りました)

本予告より

ストーリーは原作通りで、コンパクトな尺の中でしっかりと内容を描き切っていて良かったです。
改めて見直しても見どころが多いストーリーだし、心に訴えかける内容で感動やらなんやらで、泣いてしまったシーンがいくつかありました。

小学生時代の田舎の感じが「こういう雰囲気あったなあ〜」って共感しまくり。
僕も出身は田舎だったのと当時はスマホやSNSもない時代だったので、「ゲームは中学生くらいまでに卒業」とか言われてたなあと思い出しました……。

藤野と京本の関係性も良かったです。
互いに才能を認めていて、互いの存在が影響によって、もっと絵が上手くなりたいと思う関係性。

時には嫉妬や挫折を抱えつつも、かけがえのない友人でもある……といった一言で表せない大きな存在。田舎で周りに漫画好きな人が少ない状況ならなおさら貴重ですよねえ。

藤野が現実の壁にぶつかる姿も共感できるところが多く、胸が苦しくなるところもありました。
自分より優れた才能に出会って自尊心が折られたりするところは、幼少期のことを思い出してノスタルジックな気持ちに。

また、不条理な現実が唐突に立ちはだかるのは残酷でやるせない。怒りや悲しみのような気持ちが湧いてきて心が揺さぶられ続けます。

本予告より

不条理な現実に対する無力さを描きながらも、それでもフィクションを描くことによってもたらされる希望を信じたいという気持ちを感じて強く心に残りました。

机に向かいひたむきに漫画を書き続ける背中が写されるショットがあまりに尊くて、最後の方はずっと感動しっぱなし。

昔からクリエイターは尊敬していますが、改めて「クリエイターってすごいなぁ」という気持ちが自然と湧いてきました。

映像化した価値を強く感じた力強い作品。
原作がとても良かっただけに、映像化についてはどうなるか心配なところはありましたが、とても素晴らしいアニメ映画でした。
原作既読の方も未読の方にもおすすめ。

今後も時々見返したい作品かもしれない。

映画館で観た時のスタッフロールの余韻は絶妙。
公開している劇場が今のところ少なめですが、近くで公開されている方はぜひ!

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