『超探偵事件簿レインコード』感想・レビュー|熱量のこもった3Dアドベンチャー!粗もあるが満足度は高い。ダンガンロンパチームが手掛ける新たなる良作!【Switch】

ゲーム感想・レビュー
引用元:ローンチトレーラーより
当サイトではアフィリエイト広告を使用しています

Switchの『超探偵事件簿レインコード』をクリアしたので感想・レビュー!
僕は基本的に携帯モードでプレイしました。

デスゲーム系アドベンチャーゲームとして高い人気を博した『ダンガンロンパ』シリーズを手掛けたチームが送る新作タイトル。
制作陣の熱量を感じるかなり気合の入ったゲームでした!

街に隠された巨大な謎を追うストーリーや、死神ちゃんをはじめとした個性的なキャラクターたちも魅力的で、クリアしたときの満足感が大きかったです!

3Dで表現されたマップの雰囲気が良く、キャラクターモデリング面もデザインを担当した小松崎さんのイラストを上手く再現したグラフィックになっていて魅力的でした。
「あの絵柄のまま動いてる!」って感動がありました。

謎解きを行う謎迷宮パートでも、様々なアクション要素が用意されていてプレイを飽きさせない工夫が色々あったのも良いポイント。
好みは分かれるかもしれませんが試みとして好きです。

気になった点としては、ロードの長さや謎迷宮パートでのテンポが少々悪く感じたところなど。
特にロードは結構長く感じたので、没入感が削がれたところはあったかなあ。

また、『ダンガンロンパ』シリーズにも通ずる点ではありますが、ストーリーやキャラクターの癖が強めな作品なので、作風で人を選ぶ点はあると思います。
(その分、刺さる人にはかなり刺さるはず)

クリア時間は多少寄り道して35時間くらい。
収集アイテムはちょっとだけ集めた状態です。

※内容のネタバレを避けるため、ストーリーやキャラなどの詳細はできるだけ避けて記載しております

スポンサーリンク

概要とストーリーあらすじ

概要

公式サイト

機種:Switch
メーカー:スパイク・チュンソフト
ジャンル:アドベンチャー(公式サイトでは「ダークファンタジー推理アクション」)
発売日:2023年6月1日(木)※STEAM版は6月2日(金)

『ダンガンロンパ』シリーズを手掛けたスタッフが再集結して作られた新作タイトル。

雨の止まない街「カナイ区」で起こる未解決事件を解決すべく、記憶喪失の探偵見習い「ユーマ」とユーマに憑りつく「死に神ちゃん」のコンビが、特殊な能力を持つ「超探偵」と協力しながら街に隠された謎を追う……みたいな話。

ゲーム内容としては、カナイ区で起きた事件を調査し事件の手がかりを集める「現実世界パート」と、現実世界で集めた手がかりをもとに事件の謎が具現化した「謎迷宮」と呼ばれる空間を攻略していく「謎迷宮パート」と、基本的に2つのパートで構成されています。

現実世界パートでの調査は、3Dで表現された各エリアを動き回りながら目的の箇所を調べる感じ。

調査の際には、ともに行動する超探偵たちの「探偵特殊能力」という特殊な能力を借りつつ、事件解決のための手がかりを集めていく。
「探偵特殊能力」は超探偵ごとに「過去視」や「変装」など異なった能力を持っているので、ストーリーの中で色々と活用されるのも今作の見所の1つ。

ゲーム紹介トレーラーより

謎迷宮パートでは、謎が様々なギミックやトラップとなって迫ってくるので、集めた証拠を武器に(作中では「解鍵」と呼ばれる)立ち向かい、事件の真相を追っていきます。
ちょっとしたアクションがあったり、アナグラムを解いたり、QTEがあったりと色々なミニゲームのような要素が揃っています。

(ダンガンロンパシリーズの学級裁判中にあった様々なミニゲームみたいな感じです)

ストーリー

雨が降り続ける街「カナイ区」は超巨大企業「アマテラス社」の支配下にあり、未解決事件が多発。
事件の調査に乗り出すのは、未解決事件の撲滅を掲げる組織「世界探偵機構」に所属する「超探偵」たち。
ユーマと死に神ちゃんは超探偵たちと協力しながら、未解決事件の解決を目指していく。

商品紹介ページより
スポンサーリンク

良かった点

3Dで表現されたカナイ区や謎迷宮の魅力が抜群!

ローンチトレーラーより

3Dで表現された「カナイ区」の街並みや謎迷宮が独特の雰囲気を放っていて魅力的!

今作の舞台となる「カナイ区」は雨が降り止まず、また「アマテラス社」という巨大企業に実質支配されている街。
水浸しになっていてじめっととした空気感や、街のネオンがギラギラと光り輝いているディストピア感と生活感が入り混じった異国の雰囲気が最高!

路地裏や地下通路などは危険な気配が漂っていたり、歩道橋や多層に入り組まれた街の構造も特徴的で、街自体の成り立ちにも興味を惹かれる魅力がありました。
アドベンチャー系のゲームはストーリーが重要な要素になると個人的に思っているので、舞台となる街に関心が惹かれたのは好印象!

謎解きのために入り込む「謎迷宮」も、サイケデリックな雰囲気漂うダンジョンのようで記憶に残る。
「ヤバい空間に迷い込んでしまったな……」って思うくらい、禍々しいビジュアルや非現実的に動く壁や床などがインパクトあって、これもまた良かったです。

このデザインの空間をよく制作したなあと感心しきりで、体験していて刺激的でした。

不可解な事件を推理し、街に隠された謎を追うストーリー&印象的なキャラたちが魅力的!

ローンチトレーラーより

ストーリーとキャラは今作でも特に魅力的に感じたポイント!

街で起こる様々な事件の謎を追うゲームでしたが、プレイして見ると思っていた以上に推理系ゲームとして丁寧なつくりだなと感じました。

リアルなトリックってわけではないんですが、今作の世界観に登場する様々なギミックや要素を活かして、事件の真相を順序立てて解決していく感じはまさに探偵モノ。

今作は章立てで分けられている構成になっており、章ごとに毛色異なる事件が起きるので新鮮でしたし、「そんなトリックだったのか!」と驚いた場面もあり面白かったです。
(ダンガンロンパシリーズ制作陣だけあって、真相や犯人が分かるにつれ「あっ……」って胸がキュッとなる展開もあってさすがでした)

街で起こる事件を追っていくうちに巨大な謎が明らかになっていく展開も刺激的で、作中の伏線を綺麗に回収していくストーリー構成の上手さも見事でした!
キャラクターの成長や関係性の変化も面白く、エンディングを見終えたときは大満足。
完全新規タイトルでここまでのクオリティで手掛けたのは素直に凄い。

ゲーム紹介トレーラーより

登場キャラクターたちも魅力的!

まず、キャラクターモデリングが、小松崎さんのイラストを上手く再現したグラフィックになっていて感動しました!
ダンガンロンパシリーズなどでも印象的で魅力的な絵柄でしたが、序盤のムービーシーンなどで「あの絵柄で3Dキャラが動いてる!」と個人的に盛り上がりました。

キャラクターたちも癖がありながら、印象深い見せ場の多い人ばかりでとても良かったです!

主人公の「ユーマ」「死に神ちゃん」の奇妙だけど息があっていくバディ感も良かったし、仲間の超探偵たちもそれぞれ異なる魅力をもっていて、このキャラ達の活躍をもっと見たいなと思わせてくれるくらいでした。

どのキャラも良かったんですが、僕が好きなキャラは死に神ちゃん、フブキさん、デスヒコ君、クルミちゃんあたりかなあ。

個々の活躍のシーンや記憶に残る場面はネタバレ防止のため割愛しますが、初見時の「これまたエキセントリックなキャラが出てきたなあ……」と思わせてから、一緒に行動するにつれて
親しみがどんどん湧いてくるのはさすがダンロンシリーズを手掛けてきたスタッフだなあと。
まんまと好きになりましたね!
(その分、のちのストーリーで心えぐられる展開が起きないかヒヤヒヤしてましたが……)

キャラクタートレーラーより

その中でも特に印象深いキャラクターはやっぱり死に神ちゃんかな。
今作の大きな魅力の1つは「死神ちゃん」ってキャラクターかもしれないですね。

死に神ちゃんは現実世界ではフワフワの幽霊っぽい姿で、謎迷宮ではグラマラスな女性の姿をした人型の2つの姿を見せるんですが、ゲームをプレイしているとどっちの姿も好きになる!

人型のときも可愛くてビジュアル的に好きなんですが、幽霊っぽい形態のときもモーションがこまめに切り替わってコミカルで可愛い。
声優の鈴代紗弓さんの演技もめっちゃ合ってました。

ローンチトレーラーより

基本的に明るい振る舞いが多いんですが、人間とは異なる倫理観をもっているゆえの恐ろしさもありつつ、とはいえユーマが他の女性と話しているときに嫉妬したり、なんだかんだ言いつつもユーマを手助けしたりする姿もあったりで、絶妙なバランスのキャラクターで良かったです!

ダンロンシリーズでいうならモノクマに近い性質をもちつつも、プレイした印象としては死神ちゃんの方が親しみやすくキャッチ―でした。
(ダンロンとレインコードで、「デスゲームもの」と「探偵もの」というストーリージャンルの違いがあるのも関係しているかもしれないですが)

謎迷宮内でのアクション要素がプレイを飽きさせない工夫で良い!

ゲーム紹介トレーラーより

謎迷宮パートでのミニゲーム的なアクション要素が、プレイを飽きさせない工夫になっていたように感じました。

謎迷宮では、謎怪人と呼ばれる敵の攻撃を避けながらこちらの推理をぶつける「推理デスマッチ」や、アナグラムを当てる「死に神ちゃん 危機一髪」、タイミングよく障害物を超えていく「大進撃 死に神ちゃん」、瞬間的に正解の選択肢を選ぶQTE要素など色々な要素が用意されています。

これらの要素1つ1つはミニゲーム的で、それら単体が凄く楽しいというわけではないんですが、演出や見せ方が上手く、物語をただ読み進めるだけではない工夫を感じて面白かったです。

僕自身はテキストを読んでいく形式のアドベンチャー系ゲームも大好きなんですが、人によってはそれだけだと物足りない人もいるとは思うので、間口を広める策として良い試みだと感じました。

スポンサーリンク

気になった点

ロードが長い

ロードの長さは今作で最も気になる要素ですね。

エリアごとの移動やムービーシーンに切り替わるタイミングで10数秒程度のロードが入るのは少々没入感を削がれます。

特に、推理デスマッチ前に発生するロードは20~30秒くらい待たされるのでテンポの悪さを感じました。
物語がちょうど盛り上がっているタイミングで、ちょっと待たされてしまうのは気分に水を差されるなと正直思ったところもありましたね。

ゲームの処理がやや重く感じる場面もあったので、Switchのハードスペックなどの影響も出たのかもしれないなと思いました。

(あと昨今のゲームだとロードの短いゲームは増えてきているのもあって、ロードが体感的により長く感じた面もあるかもしれない)

謎迷宮パートでのテンポが悪い

謎迷宮パートはプレイしていてちょっと長いなと感じました。
迷宮内で色々なミニゲーム的要素やイベントが起こるのは面白いんですが、その分ストーリーが進むテンポが悪いなと感じる場面もあり。

真相が細かく明らかになっていくのは丁寧ではあるのですが、逆に冗長に感じるところもあったので、もっとサクサク進んでくれたほうが満足感は高かったなと思いました。

加えて、妙に移動をさせられる時間が長かったり、上記でも挙げたロードの長さなどが合わさって、謎迷宮パートをクリアするだけでも結構時間がかかってしまいました。

もう少し内容をコンパクトにしてくれた方が、ちょうど良いボリューム感になったのではないかと感じましたね。

早送り・チャプターセレクト機能など物足りない

早送りの遅さや、チャプターセレクトが細かく区切られていない点などオプション面があまり充実していなかったのは、個人的にもう一声欲しかったなと思った点です。

ストーリー中の台詞や演出の早送り機能は搭載されているんですが、早送りのスピードが遅く感じました。
プレイをし直したときや、1回見た場面を飛ばしたいときにちょっとストレスでした。
(たしかシーンスキップ機能も見当たらなかった)

ストーリークリアしたあとにチャプターを選択して再プレイするときにも、章開始時・謎迷宮突入時みたいな区分けで分けられており、もっと細かくチャプターセレクトが用意されていればなあと。

収集アイテムとして、マップの各所に隠されたアイテムを集めると仲間の超探偵たちとの会話シーンを楽しめる要素があるのですが、クリアし終わったあとにチャプターセレクトからやり直したら会話がなかなかとばせなくて、自由に移動できるシーンまでいくのに時間がかかって手間に感じました。

※もしかしたら今後のアップデートで対応される可能性はあるかも?

まとめ

ローンチトレーラーより

世界観やストーリー、キャラなどが魅力的で面白くプレイし終わった時の満足感は大きかったです!

3Dで表現された街なみや、作り込まれたキャラクターモデリングなど全体的に気合の入ったつくりで良かったし、謎迷宮パートでのミニゲーム的アクション要素もプレイを飽きさせない面白い工夫でした。

ロード時間が長さやテンポの悪さといった粗もある作品でしたが、魅力の方が上回る作品でした。
なにより、完全新作のアドベンチャーゲームをこれだけの熱量で作ってくれたことが個人的に本当に嬉しかったです!
制作陣の方々に「ありがとう……!」って言いたくなるような作品でした。

ストーリーやキャラクターの癖などもあるので万人向けな作品とは言い難い部分もありますが、好きな人には強烈に印象に残るパワーを持った作品だと思うので、アドベンチャーゲーム好きやダンガンロンパシリーズのファンの方などはぜひ!

今後もシリーズ作として展開できそうな設定や世界観だったので、次回作とかも出てくれたら嬉しい……!

3D系のアドベンチャーゲームで癖が強いけど面白いゲームならこちらも

コミカルなアドベンチャーゲームならこれも名作!

その他のゲーム感想・レビュー記事はこちら

ゲーム感想・レビュー
「ゲーム感想・レビュー」の記事一覧です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました