『Sea of Stars』感想・レビューです。
スーパーファミコンなど1990年代日本のRPGの影響を感じるインディーズゲームのRPG。
僕はPS5版をゲームカタログでプレイしました。
ピクセルアートで描かれたグラフィックは懐かしさと冒険のワクワク感を彷彿させ、幼少期にRPGを熱中してプレイした記憶を思い出しました。
(『スーパーマリオRPG』とか『クロノトリガー』とかを思い出す雰囲気)
だけど、ゲーム性は遊びやすく調整されているのでノスタルジックなだけではなく面白い!
バトルシステムはオーソドックスなターン制RPG。しっかりとした面白さが味わえました。
タイミングよくボタンを押すなどで効果が向上するアクション要素や、特定の属性の攻撃をあてることで相手の大技を防げる等のシステムもあり、バトルの戦略性に繋がっていて楽しかったです。
一方、ストーリーはちょっと乗り切れなかったかな。
いろいろな設定やキャラが出ますが、それぞれの深堀がもっと欲しかったところ。
あと往年のゲームの再現っぷりは凄いですが、その分ゲームシステムに関しては新鮮味は薄いです。
ここは人によっては好みが分かれるかも。
メインストーリークリア時間は25時間くらい。結構なボリュームでした。
その他の要素回収もいれたら30~40時間くらいになるかな。
概要
機種:Switch/PS5/PS4/XSX|S/PC
メーカー:Sabotage Studio
ジャンル:RPG
発売日:2023/8/30
『Sea of Stars』はカナダのインディーゲームスタジオ「Sabotage」が開発したRPG。
同スタジオのゲーム『The Messenger』と同じ世界観を舞台に、太陽と月の力を持つ2人の少年少女が邪悪な錬金術師の野望を阻止するために冒険するストーリー。
なお同じ世界観とはいえ、『Sea of Stars』単体で問題なく遊べます。
ワールドマップで各地を巡りながら、ダンジョンに入ってボスを倒すなど1990年代のクラシックなRPGを思い出すようなゲーム体験が味わえます。
ピクセルアートで表現されたビジュアルや、光田康典氏がゲストコンポーザーとして参加していたりと懐かしさと現代的な要素が合わさったつくりも特徴的。
ゲームシステムはシンボルエンカウント形式のターン制RPGで、通常攻撃でMP回復するシステムや戦闘中に仲間を入れ替える要素もあり。
難易度調整は、アイテムによって調整できます。
簡単にも難しくもできるのでプレイヤーの腕前に合わせて調整可能。
良かった点
往年のRPGの雰囲気を味わえつつも、現代向けに遊びやすいゲーム性
ビジュアルやサウンド、次々と新たなフィールドへ冒険するストーリーなど、『スーパーマリオRPG』や『クロノトリガー』のような90年代のRPGを思い出す懐かしさが味わえました。
ストーリーが進むごとに様々なフィールドや変わったキャラクターも次々と登場し、次行く場所ではどんな出来事が起こるのかワクワクします。
王道の冒険作品の味わい。ダンジョンでギミックを解いて進む感じも懐かしかったです。
寄り道要素として釣りができたり、ミニゲームが用意されているのも冒険の楽しみの1つ。
地味にハマります!
ゲーム性に関しては現代向けに遊びやすいつくりになっているのも快適。
ロードはほとんどないし、ストーリーを進める上でレベリングやお金稼ぎはしなくてもいいデザインになっているなどサクサクとプレイしやすい。
演出面でも、アニメーションが差し込まれたりと力が入っています。
昔のゲームをプレイした時に時々感じる「遊びにくさ」や「システムを古く感じる」ことはあまりなかったです。
ピクセルアートで描かれたビジュアルが魅力的
ピクセルアートで描かれたビジュアルは懐かしさを感じつつも、美麗な解像度になっていて独特な魅力がありました。
ファンタジーなエリアや、SFチックなエリア、沼地や砂漠など色々なロケーションがあり、それらもドット調で微細に描かれていて見所満載!
往年の名作ゲームの情景が綺麗になって復活したような感覚を味わえました。
特に巨人がいるエリアは一番印象に残りました。
巨人が大きすぎて足だけが映っていたりと、その大きさが実感できるビジュアルで表現されていて、インパクトとワクワク感がありました。
あと、バトルで大技を出すときに技演出が差し込まれるのも「必殺技!」って感じが出て好き。
(演出がちょっと長く感じるときもあるけど、大技だからこれくらいでいいかな!)
キャラごとの技や攻撃の順番を考えるバトルが戦略的で面白い
バトルシステムはオーソドックスなターン制RPGがベース。
タイミングよくボタンを押すことで敵に与えるダメージを増加したり、逆に受けるダメージを軽減できるなどアクション要素もあり、ちょうどいい忙しさでした。
(『スーパーマリオRPG』を思い出しました)
キャラごとの技には属性があり、敵に対して指定の属性で攻撃することで敵の大技を防げるシステムは戦略性があって面白かったです!
敵が大技を出すまでのターン数で「どのキャラの攻撃」を「どの順番」で当てれば阻止できるか考え、上手くいったときは気持ち良い!
キャラのHPが無くなった時も、一定時間経つと復活する(パーティが全滅していなければ)システムもなかなか面白い。
このゲームは与えるダメージも受けるダメージも大きいなど結構大味なバランスで、1回の攻撃で3分の1くらいHPを削られることもあります。
なので割とキャラがやられることもありますが、一定ターンが経つと復活するシステムなので、復活するまでの間残ったキャラでしのぐかor回復アイテム・技を使ってすぐに復活させるかを考える面白さがありました。
個人的にはこれらのシステムが合わさりちょうどいい難しさのバトルが味わえて良かったです。
なお、「秘宝」というアイテムによってHPや相手の攻撃力を調整したり、バトル中のアクションコマンドを補助したりと、プレイヤーの腕前に合わせることが可能なのも遊びやすい。
好みが分かれる点、気になる点
ゲーム性の新鮮味は薄い
往年のRPGの雰囲気を再現しているのは凄い分、ゲーム的に新鮮味は薄いつくりに感じました。
リスペクトを感じるので好印象ではあるのですが、欲を言わせてもらうと、このゲームならではのポイントがあると嬉しかったなと。
安定感のあるバトルシステムや選ばれし主人公たちが世界を救うために冒険する王道展開など、斬新さは薄い分、安心した面白さを味わえます。
そのため、この辺は好みによるところもあるのかな。
ストーリー・キャラは少々入り込めなかった
ストーリーはちょっとパンチに欠ける印象でした。
個人的には今作で一番気になった部分で、正直ストーリーには乗り切れない部分が多かったです。
いろいろな設定やキャラがでますが、もっと深堀が欲しかったですね。
設定はファンタジーからSFまで語られていない部分で色々と用意されていそうな感じだったので、メインストーリーの中でもっと詳しく掘り下げてくれればストーリーがもっと盛り上がった気がしました。
キャラクターに関しても各キャラのパーソナルな部分があまり描写されない印象を受けました。
主人公達は「良い子なんだろうな」ってことは分かるけれど個性を感じる場面が少なく、個人的には魅力的だと感じたキャラクターはあまりいなかったかな。
敵キャラもあまり魅力的に感じず、プレイしていてストーリー長いなと感じる時もありました。
(10時間~15時間で終わるボリュームなら、ストーリーもちょうどよかったかも)
次々と新しい展開が起こるのでワクワクした箇所はありましたが、内容をあまり呑み込めないうちにストーリーがどんどん進んでいく感覚があって、全体的にいまいち乗り切れない印象が残りました。
掘り下げたら面白くなりそうな雰囲気があっただけにもったいない気がしましたね。
1回の戦闘が長くなるときがある
戦闘が長くなりがちなのも気になる箇所。
特にボス的などはHPが多く、1回の戦闘で十数分くらいはかかるのは少々冗長気味に感じる。
負けた時はプレイし直すモチベ―ションが削れるときもあるし、もうちょっと敵のHPが少なめだとちょうどいいバランスだと思いました。
また、戦闘で「逃げる」コマンドがないので雑魚敵でも倒す必要があるのもちょっと面倒。
シンボルエンカウント形式なので避けようと思えば避けられますが、狭い場所だと高い確率で戦闘になるので、「逃げる」コマンドは欲しかったところ。
まとめ
全体的に新鮮味は薄めでしたが、手堅い面白さのあるRPGでした。
ビジュアルやサウンド、バトルなど懐かしさがありつつも、遊びやすく調整されているので、
SFC時代のRPGの雰囲気が好きな人は特に楽しめるかと思います!
2023年9月時点ではゲームカタログやゲームパスにも入っているので、プレイしやすいのも良い!
アクションRPGだと、こちらの作品もサクサク遊べて良かった
ゲームカタログのおすすめタイトルはこちらの記事で紹介
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