Switch『空の軌跡 the 1st』をクリアしたので感想・レビュー!
Nintendo Switch 2 Editionでプレイしたので、グラフィック面向上・ロード時間短縮により、非常に快適に楽しめました。
歴史の長い『軌跡』シリーズですが、僕は今作で初めて本格的にプレイ。
往年のJRPGで感じた「冒険の旅」のワクワク感と、現代的な遊びやすさが融合した良質なリメイク作品でした!
エステルとヨシュアの2人の旅路を描いたストーリーの面白さ、行く先々で出会う印象深いキャラ、戦略性と快適さが合わさったバトルなど、とても楽しいRPGでしたね~。
僕もすっかり世界観に魅了され、「早く続編をプレイしたい!」と思わされるくらい大満足なプレイ体験になりました!
この記事では、『空の軌跡 the 1st』の個人的に良かった点、気になった点などを詳しく紹介していきます!
ストーリーの核心に触れるネタバレは避けています。
クリア時間は、55時間ほどでした。
サブクエストもいくつかこなししつつ、コンプリートはしていない程度の寄り道でこれくらい。久々に腰を据えてRPGをプレイした気分です。
『空の軌跡 the 1st』とは
機種:Switch/PS5/PC
メーカー:日本ファルコム
ジャンル:ストーリーRPG
発売日:2025/9/19
今作は、日本ファルコムが手がける大人気RPG『軌跡』シリーズの記念すべき第1作目『英雄伝説 空の軌跡FC』をフルリメイクした作品です。
2004年のオリジナル版発売から20年以上の時を経て、グラフィックやシステムを現代の技術でゼロから再構築。根強いファンの多いJRPGの名作が、圧倒的な進化を遂げて蘇りました!
【あらすじと舞台】
導力器(オーブメント)と呼ばれる神秘の技術が普及した「リベール王国」。
民間人の安全を守り、地域の平和を守る「遊撃士(ブレイサー)」を目指す少女エステルと、姉弟同然に育った少年ヨシュア。2人は見習い遊撃士として、王国中を巡る旅に出ます。
各地で出会う仲間たちとの絆、そして王国の裏側で動き出す巨大な陰謀。2人の成長を丁寧に描く、王道かつドラマチックな物語が展開されます。
リメイク版の主な特徴として、オリジナル版のクォータービュー(見下ろし型)から、全編鮮やかなフル3Dグラフィックへと進化しました。
バトルシステムでは、フィールド上で敵を攻撃する「クイックバトル」と、戦略的なターン制の「コマンドバトル」がシームレスに融合。不朽の名作を、現代に最適化した形で蘇らせた、新旧ファン納得の1本となっています。
良かった点
フル3Dで描かれる、作り込まれた世界観とキャラクターモデル!
プレイして、まず目を引いたのがフル3Dで表現されたリベール大陸とキャラクターのグラフィック!
2Dだったオリジナル版の温かい雰囲気や、イラストの可愛らしさ・カッコよさを損なうことなく、現代的なCGグラフィックに見事に落とし込まれていました。
ロケーションも多彩で、牧歌的な村、スチームパンク的な雰囲気を感じる工房都市、巨大な城がそびえ立つ王都など、街並みの表現が細かく作り込まれていて印象的。
NPC(モブキャラ)もたくさんいて、土地にあわせた服装をしており、シナリオが進むごとに1人1人のセリフが細かく変化。世界に息づいている生活感があって、作品への没入度をグッと高めてくれます!
「次に行く街では、どんな風景や人と出会えるんだろう」といった、冒険の持つワクワクした気持ちを感じられる世界観づくりが秀逸でした。

キャラクターモデルの表情も非常に豊か!
イベントごとに表情がコロコロと変わり、時にはデフォルメ調の表情になったりと、まるでアニメを見ているような楽しさがありました。
昨今は基本無料ゲーでもグラフィックが綺麗な作品が多いですが、今作も魅力の面で引けを取らず、自然と世界観に没入できるクオリティに仕上がっています。ムービーシーンの見せ方にも力が入っており、ストーリーの面白さに繋がっていました。
もちろん、超大手の作品と比較すればリソースの差はあると思いますが、古臭さを全然感じさせず、非常に親しみやすいビジュアルで個人的にとても好きでしたね!
王道でワクワクするストーリーと愛着の湧くキャラクターたち!

ストーリーは王道的な冒険譚。遊撃士(ブレイサー)という職業に就いた少年少女、エステルとヨシュアが、旅を通じて少しずつ成長していく展開が丁寧に描かれていて、本当に素晴らしかったです!
章ごとに新しい街へ行き、そこで仲間と出会い、共に事件を解決しては、別れて次の街へ……といった「旅」の感覚が味わえるのが、すごく思い出に残りました。
冒険のなかで生まれるワクワク感や別れの寂しさ、そして再会できたときの嬉しさなど、旅路で揺れ動く感情をプレイヤーも一緒に味わえます。
そのなかで、小さな事件からやがて大きな陰謀へと繋がっていくシナリオ構成も秀逸で、後半にかけての盛り上がりにだんだんと引き込まれました。
特に、エステルとヨシュアの関係性が丁寧に描かれていたのは良かった!
快活で前向きな少女エステルと、知的で落ち着いた雰囲気の少年ヨシュア。
家族のような、でも少しずつ互いを異性として意識していくような……そんなラブコメ的な要素もあり、2人のやりとりを見ているとニコニコしちゃうよ!
お互いを補い合って共に成長し、心が変化していく関係描写が丁寧で、応援したくなる2人でした。

他の登場キャラたちも素敵。
頼れるお姉さんのシェラザード、無骨なアガット、清楚なクローゼ、ムードメーカーのオリビエなど、パーティメンバーも良いキャラばかり。
会話の掛け合いも楽しく、ストーリーが進むにつれて思い入れが増し、「もっとこのメンバーで冒険したい~!」と名残惜しくなるくらいでしたね。
パーティメンバーだけではなく、道中で出会う人々や敵サイドに至るまで、1人1人が記憶に残るような丁寧なキャラクターの描き方は、今作の大きな魅力の1つだと感じました。
快適性と戦略性を両立したバトルシステム!

バトルは「クイックバトル」と「コマンドバトル」の2つをシームレスに切り替えて戦うシステム。快適性と戦略性が両方味わえて、戦闘も楽しかったです!
「クイックバトル」はフィールドを自由に動き回り、「攻撃」「回避」といったアクションを行ってサクサクと敵と戦えます。
「コマンドバトル」はターンごとに指示を出して戦うバトルで、行動順や位置関係を考えながら様々な技を駆使する戦略性を味わえます。
道中の敵なら、戦闘中に「クイックバトル」から「コマンドバトル」へ切り替えることは可能。
弱い敵はアクションでサクサクと散らし、クイックバトルで敵を気絶させた時や強い敵と対峙するときは「コマンドバトル」へ突入し、じっくりと戦いを進めるという使い分けができたのは快適でした。

特にコマンドバトルでは、敵が意外と強くて歯ごたえがありましたね。
僕はあまりレベル上げをせずに進めるタイプなのですが、難易度ノーマルでも序盤のボスにボコボコにされてしまうこともあって、「なかなかハードじゃん……!」と燃えました。
敵と味方の行動順を意識しながら、どのアーツ(魔法)やクラフト(技)を使えばいいか考え、敵をスタンさせたり、味方を回復させるタイミングを調整したりと、工夫するポイントがいろいろあり、強敵に勝てた時の達成感は大きかったです!
難易度を下げることもできるので、どうしても勝てない時は調整できる点も親切。
ストーリーが進むごとに、新要素がどんどん解放されていくので、バトルの面白味が増していき、すっかりのめり込みました!
好みの分かれる点・気になる点
クイックバトルのアクションは少々単調に感じる時はある
アクションゲームではないので仕方ない面はありますが、フィールド上のアクション(クイックバトル)は少しシンプルすぎるようにも感じました。
基本は「通常攻撃」と「回避」とゲージが貯まったときに使える技「クラフト」攻撃がメイン。
ストーリーが進めばキャラ数が増えたり、新要素が追加されていきますが、特にエステルとヨシュアだけで進む場面では、攻撃パターンが少なく単調さを感じることもありました。
道中で敵と遭遇するたびにコマンドバトルを行わなくても戦えるのは快適ですが、正直に言えば、もう一つくらい攻撃手段のバリエーションがあればもっと嬉しかったですね。
イベントシーンのボイスの入り方にバラつきがある
ムービー以外のイベントシーンで、ボイス付きの時とボイスがない時が混ざっているのは気になりました。
いわゆるパートボイス仕様ですが、どのシーンにボイスが付いているか不規則な時があったり、特定のキャラクターはボイスが付いているけど他のキャラはボイスがないというシーンが時々あったりと、ボイスの入り方にバラつきがあって没入感が少し削がれてしまうのはもったいない。
大きなマイナスポイントではないけど、どのシーンにボイスが付くのかの基準があまり分からず、「なんでここだけボイス付いていないんだろう?」と気になって、特に最初の方は少し戸惑いました。
(例えば「メインクエスト関連はボイス付き、サブクエスト系はボイスなし」みたいな感じならば、一貫していて分かりやすいけど、そういう感じでもない)
声優陣の演技はキャラに合っていてぴったりだし、3Dのクオリティも良くできているので、そのぶん目立つように感じたのかもしれません。
ストーリーの展開スピードと続編前提の構成について
往年のJRPG的な王道な冒険譚は面白いのですが、ストーリー展開は昨今の作品に比べると、スローペース気味に感じました。じっくりと世界観を味わえる良さでもあるのですが、人によっては序盤の掴みが弱く感じるかもしれません。
また、物語のテイストは少しコミカルで、どこか懐かしいノリ(2000年代のライトノベルや深夜アニメのような雰囲気)を感じる掛け合いやギャグが含まれています。
僕は世代的にもドンピシャで大好物でしたが、シリアスでリアルなトーンの作劇を求める方や、キャラクターのオーバーなリアクション描写が苦手な人は、少し違和感を覚える可能性はあるかも。ここら辺は自身の好みで判断すると良いと思います。
そしてタイトルに『the 1st』とある通り、今作は壮大な物語の「序章」です。
オリジナル版の時から作品をまたいで話が続く構成なので、『the 1st』単体ですべての謎が解明され、物語が完結するわけではありません。
「ここで終わっちゃうんですか!?」となる可能性があるので、あらかじめ「続編がある物語」であることは、念頭に置いておいておきましょう!
まとめ

今の時代にプレイしても決して色褪せない、素晴らしいJRPGでした!
歴史の長いシリーズの初代を最高の形で作り直したリメイク作となっており、ファンはもちろん、新規勢がここから『軌跡』シリーズの世界へ踏み出すのにも最適な一本!
- 魅力的なキャラクターと作り込まれた世界観
- 王道ながらぐいぐいと引き込まれていくストーリー
- 戦略性と爽快感を兼ね備えたバトル
これらが揃った今作は、純粋に面白いRPGを遊びたいという方にもおすすめの作品。
僕もプレイして非常に楽しめましたし、これからのシリーズ展開も待ち遠しい!
次回作『空の軌跡 the 2nd』が2026年発売予定と発表されたので、今のうちに続編に備えてプレイするのも良いタイミング。
気になっている方は、ぜひ今からプレイして、エステルやヨシュアたちの冒険の始まりを見届けてみてください!
ストーリーやキャラの良さだとTOSも好きだったね~
90年代のJRPG風味を感じるインディーズゲーRPG
RPGだとゼノブレシリーズも傑作!



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