『嘘つき姫と盲目王子』感想・レビュー|独特のグラフィックや絵本のような雰囲気が抜群!アクションに気になる点はあるものの、独自の魅力がある作品【Switch/PS4/Vita】

ゲーム感想・レビュー
引用元:公式プロモーションムービーより
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『嘘つき姫と盲目王子』をクリアしました!
僕はPS5でプレイ。ちょうどゲームカタログに入っていました。

絵本のようなグラフィックと世界観、姫と王子のかわいいやりとりと仄かに不穏な雰囲気のストーリーが光る作品でした!
この雰囲気は他のゲームではあまり見られない大きな特徴かと思います。

ゲームシステムは、パズル要素のある2D横スクロールアクション。
適度に頭を使うステージはそこそこ楽しい。

ただ、アクションがゆったりでテンポが悪いと感じる時があったり、動かしていて気持ち良さが少ない点など粗さを感じる部分は多め。

パズル要素も斬新さは少なく、ギミックに詰まることはほとんどなかったです。

ボリュームは少なめ。
ストーリーはすぐ終わるし、やり込み要素はほとんどないので、好みが分かれそうな部分。

アクションパズル作品として見ると物足りなさはありつつも、絵本のような雰囲気を表現したゲーム性は一見の価値あり!
雰囲気に惹かれた人なら結構満足できるかも。

僕のクリア時間は4時間ちょっとくらい。
5~6時間あればクリアできるボリュームかと思います。

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概要とストーリー

機種:Switch/PS4/PS Vita
メーカー:日本一ソフトウェア
ジャンル:アクションアドベンチャー
発売日:2018/5/31

公式サイト

日本一ソフトウェアより発売されたアクションアドベンチャー。

少女の姿に変身できる狼の化け物と失明してしまった人間の王子が主役。
不慮の事態によって王子を失明させてしまった狼が、自らを姫と偽り、王子の目を治すために共に森の奥にある魔女の館を目指すストーリー。

人間の少女に変身する力を得た狼を操作し、道中のギミックを解いて進んでいくステージクリア形式の2Dアクションアドベンチャーって感じ。

王子に指示を出してギミックを解くステージもあり、ほどよく頭を使うパズル要素があります。

作中のナレーションは声優の近藤玲奈さんが担当、主題歌は志方あきこさんの書き下ろし曲『月夜の音楽会』が使用されています。

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良かった点

絵本のようなグラフィックと世界観が抜群!

作品全体が絵本のような温かみのあるグラフィックで表現されており個性的!
この雰囲気にかなり惹かれました。

ムービー部分だけでなく、それぞれのステージも独特のグラフィックで表現されており、絵本のイラストがそのまま動いているような感じでとてもいい雰囲気!

姫と王子のキャラクターデザインが可愛い。
2人が手をつないでいる姿に表情がちょっと柔らかくなるのが癒し。

また、可愛さだけでなく、森に生息する化け物や背景のちょっと不気味な感じも表現されていて、没入感のある世界観でした。

他のゲームではあまり見られない独特な魅力が詰まっており、この雰囲気を味わえただけでもプレイする価値はありました。

姫と王子の温かく、時折不穏さが混じるストーリーに惹かれる

狼である姫と王子のやりとりを描いたストーリーは魅力的でした。

温かく可愛らしい交流をする場面もあれば、化け物と人間の関係による不穏さを感じる場面もあり、興味深いストーリー。

姫と王子のやりとりが可愛いんですよね。
不器用だけど王子のことを大切に思っている姫と、優しい王子の交流は応援したくなる。

価値観が違うから上手くいかないこともありつつ、交流を重ねていく姿は「もっと仲良くなってほしい~」と素直に思いましたね!

しかし同時に、姫が「王子を傷つけた化け物」であることを隠しているからこそ成り立っている関係という不穏さもあり、どういう展開のストーリーになるのか気になる魅力がありました。

道中で出てくる森の生き物も見た目は愛嬌を感じるものもいるんだけど、、人間を食べる化け物という恐ろしさもあり、温かな雰囲気とちょっと恐ろしい雰囲気が入り混じった感じが絶妙。

「こういう絵本あった気がするなあ」とノスタルジックな気持ちにさせてくれます。

ストーリーは王道的な展開で予想できる部分はありましたが、クリアしたときのスッキリとした読後感は良かったです。
一冊の絵本を見終えたような感じ。

ムービーでは朗読形式で物語が語られるのも作品の雰囲気を高めていてGOOD!
読み聞かせを聴いているような感じでプレイできます。

適度に頭を使うパズル要素

ステージクリア形式で、シンプルな操作のパズルアクションはとっつきやすい。
ほどほどに頭を使うところもあり、クリアした時はそこそこ楽しさがありました。

姫は狼の状態に変身でき、狼の攻撃で敵を倒すことができます。
ただし、狼の状態だと王子と手を繋げないので、ステージを進むには姫の姿に戻って王子と一緒に進まないといけないのはポイント。

王子は敵の攻撃を受けると一発でアウトなので、状況に応じて変身するのが意外と忙しい。
王子がやられると姫が悲しむモーションが入るので、なんともいえない罪悪感!

王子に指示を出すのも重要な要素。
王子は「物を持つ」、「指定の位置まで移動」といったことができます。

指示を出すことで、スイッチを押してもらってリフトを動かしたり、ランタンを持ってもらってかがり火を付けてもらったりと、ギミック解除に活躍。

姫と王子をバラバラの位置に同時にスイッチを押すなど協力が必要なギミックもあり、難易度は高くないもののパズル要素が解けると嬉しかったですね。

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気になる点

アクションのテンポがゆったりなど操作面で少々ストレスを感じる

アクションのテンポがゆったり気味。

特に王子に指示を出して動いてもらう動作がゆったりしているところや、崖が降りる時のよろめくモーションは結構好みではあるけど、テンポ悪いなと感じる時はあります。

ゆったりした動作をしている最中に敵にぶつかってミスになる場面もあり、自分の操作が原因とは言えもどかしさを感じるところはある。

敵に攻撃するときも3回攻撃しないと倒せないのも、テンポ感が削がれているなと感じる点。

アクションに重点を入れている作品じゃないと思うので、あえて敵を固くする必要はないんじゃないかと感じました。
(1回の攻撃で倒せればいいんじゃないか?とプレイ中は思っていましたね)

高所から飛び降りた時の判定に納得がいかない時があるのも気になる。

高いところから飛び降りる時は、特定の場所に着地しないとミスになるのですが、着地場所の判定に時々納得いかない時がありました。

(ちょっとでもずれるとミスになります。「いまちゃんと着地したよね!?」と思ったところもいくつかあったな)

アクションがシンプルなのは分かりやすくて良いけど、動かしていて気持ち良さは少なかったかな。

パズル要素は少々物足りなさがある

パズル要素は他のゲームでも見たことあるようなもので新鮮味は特にはないです。

凝ったつくりのものは少なく、ほとんどのギミックがすんなり解けるので歯ごたえは少なめ。
パズルがメインというより、あくまで世界観を彩るものの1つって感じの印象を受けました。

ステージ数は少なめで、王子への指示といった要素が解禁されるタイミングも中盤以降なので、要素が全部解禁されたうえでのパズルをもうちょっとプレイしたかった気持ちはあります。

ボリュームは少なめ

ステージ数は少なく、ボリュームはコンパクト。
5時間程度あればクリアできるくらい。

やり込み要素やリプレイ性は低めなので、アクションパズルに期待する人はステージ数の少なさが物足りなく感じるかも。

ストーリー自体は、作品全体が絵本みたいな作風だからか程よいボリュームで悪くなかったです。
(姫と王子のやりとりをもう少し描いてくれたら尚良かったなってくらい)

僕はゲームカタログでプレイしたため、ボリューム面はあまりマイナスになりませんでしたね。

今作の発売当時の環境と異なり、現在はゲームカタログでもプレイできるし、インディーズゲームの文化が広まってボリュームがコンパクトな作品も珍しくなくなったから、現在改めて評価が変わるタイプの作品かも?

今作が発売された年のあたり(2018年)って、2017年に『ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド』『Horizon Zero Dawn』、2018年は『モンスターハンターワールド』『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』みたいなタイトルが続々出てた時期でしたからねえ。

特にブレワイの影響は大きく、オープンワールド系ゲームが一層盛んになりつつあった時期だから、現在よりボリューム面が重視された時期だった気が個人的にします。

まとめ

雰囲気が刺さるかどうかで評価が分かれるタイプの作品。

絵本のような世界観やキャラクター、グラフィックなど独特の魅力があって興味深かったです。
クリアした後の読後感も好き。

サクッとプレイできるボリュームは個人的には悪くない。
(フルプライスで買ってたら物足りなさは感じてたかも)

アクション面やパズル要素は物足りなさはありつつも、それ以上に作品の雰囲気の魅力が光りました。
こういう独特の魅力で勝負しようとする作品って好きなんですよねえ。

今ならゲームカタログでもプレイできるので、プレイの敷居が下がったのもありがたい!

イラストやPVの雰囲気に惹かれた方はプレイしてみてはいかがでしょうか?

パズル要素のあるアクションならこちらも良い

コンパクトで世界観が良いゲームならこれも良かったです

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