『龍が如く8』の感想・レビュー!
僕はPS5版をプレイしました。
セガの誇る人気シリーズ『龍が如く』シリーズ最新作。
前作『龍が如く7』から、ジャンルがアクションアドベンチャーからRPGへと大幅にモデルチェンジし、今作『龍が如く8』はその続編。
前作主人公「春日一番」とシリーズで長らく主人公を務めてきた「桐生一馬」のダブル主人公制によるストーリーは、2つの異なる味わいのストーリーを楽しめて面白かったです!
龍が如くのこれまでとこれからを感じさせて、特にシリーズファンには感慨深いシーンの連発!
長く続くシリーズだけに積み重ねた年月を感じさせ、大きな感動がありました。
RPGの部分の進化も大きな魅力!
前作から大幅に戦略性が増し、RPGとしての面白さが格段に上がりました。
そして、シリーズ最大級のボリューム!
メインストーリーが膨大な内容なのを始めとして、サブクエストやアクティビティも豊富に用意されており、これらをプレイするだけでも数十時間は遊べるくらいの内容でした。
気になった点としては、ストーリーの一部の展開は引っ掛かりました。
ところどころで「ん?」となるシーンがあり、少々乗り切れない部分はありました。
全体的には楽しめたけど、ストーリーの満足度に関しては『龍が如く7』や『龍が如く7外伝』の方が上だったかな。
メインストーリークリアにかかった時間は75時間くらい。
途中寄り道をしながらだったし、ラスト付近でボスが倒せなくてレベル上げでやり直した時間もあったので、早ければ60時間前後でメインストーリークリアはできるかも。
エンディングドラマやサブ要素をプレイして80時間以上はプレイしました。
まだ、スジモンバトルや一部サブクエストはクリアしていないので全部プレイすれば100時間以上はいけるボリューム!
概要
機種:PS5/PS4/XSX|S/Xone/PC
メーカー:セガ
ジャンル:ドラマティックRPG
発売日:2024/1/26
セガの人気シリーズ『龍が如く』の最新作。
今作では、シリーズおなじみの桐生一馬と、前作『龍が如く7』の主人公である春日一番のダブル主人公で、新たな戦いに挑みます。
今作の主な舞台は「横浜・伊勢佐木異人町」と、シリーズ初の海外である「ハワイ」。
横浜ではお馴染みの街並みが進化し、ハワイでは広大なオープンワールドを自由に探索可能。
今作のストーリーは、再びどん底な状況から這い上がろうとする春日一番と人生最期の戦いに挑む桐生一馬のドラマが描かれます。
新キャラはもちろん、前作でも登場したキャラが続投するのもポイント。
バトルシステムは、前作に引き続きコマンドRPG形式のバトルシステムを採用。
さらに、今作ではキャラの周囲を一定距離移動できるようになり、仲間との連携技や位置関係を活かした戦闘になっています。
ジョブチェンジ要素も前作から続投。
今作では新たに、「召喚士」「サムライ」「マリンマスター」等の新ジョブが追加。
良かった点
ダブル主人公制によるストーリーが面白い!
7の主人公「春日一番」とシリーズおなじみの「桐生一馬」のダブル主人公制によって進むストーリーは異なる面白みがあって良かったです。
春日側のストーリーは新舞台「ハワイ」を舞台にハワイの光と影が描かれるスリリングなストーリーが展開され、桐生側ではシリーズおなじみの「横浜・伊勢佐木異人町」や「神室町」を舞台にノスタルジーで味わい深いストーリーが展開。
春日のストーリーは、シリーズ初の海外舞台が描かれることもあり新鮮な味わいがありました。
新天地での冒険が描かれるワクワク感があります。
南国のリゾート地ハワイの綺麗な海やショッピングセンターなどでワイワイする春日たちの様子は見ていて楽しい!
前作『龍が如く7』で春日の魅力が存分に描かれていたので、今回新たな活躍を見れたのは前作プレイヤーには嬉しい部分。
また、マフィアやホームレスが蔓延る暗い部分も描いており現代の問題を描いているのも印象的。
そうした舞台で描かれる人情ドラマやスリリングな展開には引き込まれる面白さがありました。
ストーリーで「暴露系Vtuber」の要素を絡めたり、「マッチングアプリ」「ウーバーイーツ」を題材にしたミニゲームがあったりと、今の流行りを取り入れて時代を切り取った内容になっていました。
『龍が如く』シリーズはキャラクターが魅力的なだけに、新登場するキャラも見どころいっぱい!
King Gnu井口さんが演じるタクシードライバー「エリック・トミザワ」やハワイで出会う謎の女性「不二宮千歳」などは印象深い。
(山井一派の頭目「山井豊」も結構好き)
それぞれが複雑な背景をもち、どん底の状況でもがいていたり、不条理な現実に思い悩みながらも、春日達との出会いをきっかけに少しずつ前に進もうとする姿には胸が熱くなります!
メインストーリー以外にも、好感度を上げることで描かれる個別の「絆ドラマ」やフィールド探索中に発生する仲間同士の会話などのやりとりも面白いものやグッとくるものがあり、キャラの深堀がされてより魅力に感じます!
桐生さんのストーリーは、病気で余命僅かとなった桐生さんが残りの時間をどう使うかという物語が描かれるので、シリーズをプレイしていると感慨深いシーンがたくさん出てきて味わい深い。
イメチェンしてイケオジ感の増した桐生さんが仲間達と思い出づくりするのは興味深い。
(桐生さんは結構お茶目な面が多いのでクスっとくるやりとりも多くて良い!)
難波やソンヒなど前作で登場したキャラとのやりとりもたくさん描かれ、おなじみの面々の新しい活躍が見れたのは嬉しかったですね。
桐生さんのストーリーではこれまでのシリーズのできごとを回想するシーンや、馴染みのある人との再会を描く「エンディングドラマ」といった要素もあり、シリーズをプレイしたことがある人なら特に感慨深い。
かなり久しぶりに登場するキャラもいて、「あの人も出るんだ!?」という驚きと嬉しさもあり一見の価値あり。
ストーリーもじんわりと胸に染みる。
2人の主人公のストーリーをそれぞれ描きながら時に交わり、メインストーリーだけでも50時間以上はかかる大ボリュームでした。
総合的には、一部展開が気になる部分はありつつもストーリーは満足できました。
春日のストーリーでは「どん底の状況でも前に進もうとする人を優しく支える」姿が感動的で、桐生さんのストーリーでは「極道そのものの終焉と桐生一馬の人生の終わりが重なり、最後にどういう人生を歩むのか」が描かれていて良い締め方だったと感じました。
RPGとしての戦略性や面白さがアップ!
戦闘システムは前作からの進化し、RPGとしての面白さが上がっていました!
ゲームシステムは前作同様ターン制RPG。
今作ではキャラの周囲を一定距離移動することができるようになったため、位置関係を活かした要素が使いやすくなり戦略性がアップ!
敵キャラに近い位置や背面から攻撃した際に与えるダメージが増加したり、周囲にあるオブジェクトを使用した攻撃や、仲間のいる位置へ敵を吹っ飛ばすと追撃発生など、戦略性が上がって戦闘がより面白く感じました。
その他、レベルの低い敵と戦闘するときにはワンボタンで戦闘を済ませるのが可能であったり、ストーリーの進行に合わせて敵が強くなっていくバランスが前作より自然になったり、遊びやすくなっていたのは親切。
今作でもちょっとレベル上げはしましたが比較的スムーズに進めました。前作では急に敵が強くなってレベル上げが必要な場面がありましたからね!
ゲームを進めていくたびに増えるジョブチェンジもパーティの編成を考えたり、キャラ育成のやり込みがいがあります!
ジョブごとにパラメータの特徴や覚えられる技があるため、どんなパーティでどう育成するのかはプレイヤーの好み。
ジョブも個性的なものばかり!
ワイルドダンサーやサムライ、アクションスターなど恰好のインパクトはあるしユニークな技もいっぱいで龍が如くらしいユーモアがあります。
ゲーム中は特定の場所で自由にジョブチェンジできるので試行錯誤するのも良し。
桐生さん専用のジョブ「堂島の龍」は、戦闘中に特定のゲージを溜めると一定時間アクションゲームのように自由に動くことが可能に。
ターン制RPGのシステムで、『龍が如く』シリーズでのアクションを味わえたのは驚きましたし、ジャンルの枠を超えた要素で感心しました!
サブクエストやアクティビティなどシリーズ最大級のボリューム
シリーズ最大級の豊富なサブ要素やアクティビティもバラエティ豊富で満足しました!
マップのあちこちにサブクエストやアクティビティ、フォトスポットなどが用意されており、探索するだけでもかなりのボリューム。
(ハワイが前作「伊勢佐木異人町」の3倍の広さとのことなので、マップのいたるところを巡るだけでもなかなか遊びごたえあります)
サブストーリーやエンディングドラマ、追憶ダイアリーといったドラマ的なものから、「スジモンバトル」や「ドンドコ島」など独立したコンテンツもあり、盛りだくさんの内容!
シリーズでおなじみのバッティングセンターや麻雀、ゲームセンターなどもあるのでちょっとした息抜きにプレイするミニゲームとしてもちょうどいい。
今作のアクティビティの中では「スジモンバトル」や「ドンドコ島」は特にやり込みがいがありました。
前作でもあったスジモン集めは「スジモンバトル」としてパワーアップ!
スジモンはマップの各所で行うバトルに勝つと勧誘できたり、スジモンガシャで入手可能。
スジモンは100以上用意されており全部収集するとなるとやり込みがいがあります。
さらに、あつめたスジモンは育成させ3VS3のバトルを行えます!
スジモンマスターを目指すサブストーリーもあり、本編とは違った育成RPGを味わえるので今作の見どころの1つ。
島を発展させていくシミュレーションゲーム「ドンドコ島」は結構ハマりました。
ドンドコ島だけで20時間以上はプレイしたかな。
ゴミだらけになってしまった島をリゾート地へと発展させていくのが目的のモード。
島を開拓・整備しながら、様々な家具や建物を制作し配置、島の人気を上げていく経営シミュレーションゲーム的な面白さが味わえました。
発展させるにつれ、島の行ける範囲が広がったり、リゾート客を満足させるための施策が増えたりとするので達成感があります。
少しずつ島がにぎやかになっていくのも楽しい!
島の中では時間が流れており、夜になると家で休む必要があるため限られた時間の中で何をやるか、持っている資金や素材の中で何をつくるかを考えるのは地味に面白い。
「店をつくって商店街のように並べたい」「道具を成長させて効率よくしたい」「観光客用のお土産を開発して満足度をあげたい!」など色々やりたいことがあるなかで、どれを優先するか考えて試行錯誤する面白さがあります。
成功パターンが分かってしまうと作業感が増してしまいますが、それまでは特に面白くプレイしていました。
僕はコツコツ成長させるゲームが結構好きなので、ほどよい作業感が個人的に刺さりました。
観光客を招くとお金を落としてくれるので、ゲームを進める上でのお金稼ぎにもなります。
質の高い装備を揃える際に役立つので、ストーリーを進めるのにも最適。
ただ、『龍が如く』シリーズではよくあることですが、アクティビティのクオリティは少々物足りなさがあるものもあります。
もう一声あればもっとおもしろくなりそうなのに……!と感じるものも。
とはいえ、いろんなアクティビティがごった煮で入っていて大ボリュームで提供してくれるのは『龍が如く』シリーズの魅力の1つだと思うので個人的には好きです。
気になった点
ストーリー展開が所々気になる
今作のストーリー展開で引っ掛かるところはいくらかありました。
ストーリーだけなら、個人的には『龍が如く7』『龍が如く7外伝』の方が満足感は高かったです。
詳細なネタバレは避けますが、一部のキャラの描写の薄さは気になりました。
一部の敵キャラは描写が少ないため、これまでのシリーズに比べると魅力が薄め。
単なるやられ役に感じる時もありましたし、「意味ありげに見せてたシーンは結局なんだったの?」という物足りなさもありました。
前作含めて『龍が如く』シリーズでストーリーの評価が高い作品は、敵キャラの見せ方が上手く、信念や生い立ちなども上手く描いており、印象深いボスが多かったので、今作はもったいなく思いました。
そのため、物語に一部乗り切れないところがあり、感動的なシーンでの盛り上がりが少々薄れている印象があります。
(感動はするんだけど展開が唐突に感じたり、もっと熱くなる展開になりそうだったのに……というシーンはいくつかあります)
一部キャラの扱いが雑に感じるのももったいない。
「もうちょっと見せ場が欲しかった……!」と感じたキャラが何人かいましたね。
展開的にも間延びしているように感じるところや、カタルシスが少ない展開が続くのも少々気になりました。
特に春日のストーリーは、ハワイにきてから話がなかなか進んでいる感じがしないと感じる場面があり、個人的に気になりました。
また、ダブル主人公制によって章ごとに主人公が変わることも影響していると思いますが、落とされる展開が続き、カタルシスの少ない展開が結構長く感じたのはちょっとモチベが下がりましたね。
2人分の話が交互に進むので一回落とされてから盛り上がる展開に行くまでのスパンが長く感じました。
他にも気になる点はありましたが、今作はストーリーのボリュームが多くムービーも多いので、その分だけ勢いで乗り切れない部分はあったのかもしれません。
(ほどほどのボリュームだったら、多少展開にツッコミどころがあっても勢いで気にならない作品もありますからね)
雑魚敵との戦闘が連続する場面は単調に感じる
ストーリーで雑魚敵との連戦が発生する場面が所々あり、少々単調に感じました。
ボスバトルは特殊な演出があったり、ボス特有の技があったりと面白いのですが、雑魚敵との連戦ではあまり工夫がなく連戦するだけなので、連戦させるならばもう少し変化が欲しかったです。
一部の敵キャラの魅力を描き切れてない印象があったので、戦っててもあまり盛り上がらなかったのが正直なところ。(特に春日編)
これだったら戦闘回数をもうちょっと減らしても良かったのではないかと感じました。
未練ミッションの作業感が強い
桐生さんのサイドコンテンツの「エンディングノート」では、様々な心残りを行っていく「未練ミッション」というコンテンツがあるのですが正直作業感が強いです。
いわゆる実績システムのようなもので、「特定のジョブで〇体以上敵を倒す」「飲食店のメニューを制覇する」といった項目を達成すると、ミッションが達成され、桐生さんの覚醒度を獲得。覚醒度が一定以上上がると覚醒ランクがアップしていくという感じ。
覚醒度が上がることで、ジョブ「堂島の龍」の能力が上昇したり、桐生さんがシリーズの馴染みの人物に会いに行く「エンディングドラマ」が解放されます。
このうち、「エンディングドラマ」はかなり重要な人物と出会えるし、ドラマの内容的にも濃いものなので面白いのですが、最後のエンディングドラマを見るために必要な覚醒ランクがかなり必要。
そのため、未練ミッションをこなす必要があったのですが、結構面倒でしたね。
クリア後のやり込み要素として用意されているのならいいのですが、メインストーリーのエンディング前に見ておきたいという場合は、半強制的にやらざるを得ない状態になっているのは不満。
メインストーリー終盤に向けて一気に進めたいのに、未練ミッションクリアのために街中をうろうろする時間が挟まるのは気になりました。
プレイヤーが自由に進行できるように、もっと覚醒ランクが低ければなお良かったなと感じましたね。
まとめ
まさに『龍が如く』シリーズの総決算という感じで盛りだくさんの内容でした!
RPG部分の進化やダブル主人公制による濃厚なストーリー、サブクエストやアクティビティの増加による豊富な寄り道要素によって、かなり遊びごたえのある作品になっていました!
ただ、ストーリーは所々気になるところがありストーリー満足度は前作の方が個人的に好み。
惜しいなと思うところが色々ありました。
とはいえ、総合的にかなり楽しめた良作RPGであることは間違いないです!
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