『9-nine-』シリーズ(『ここのつここのかここのいろ』~『新章』まで)を全作クリアした感想!
異能力バトル系の作品として面白いノベルゲームでした!
能力を使いこなして敵と対峙する熱い攻防戦、各章ごとに描かれるヒロインキャラの魅力&可愛さが大きな魅力。
そしてなにより、章が進むごとに謎や伏線が回収され、加速度的に盛り上がっていくストーリー展開は見事!
終盤に近付くにつれて、読み進める手が止まらず、最後まで熱中してプレイできました!
僕は『新章』以外の章はSteam版でプレイし、『新章』だけDMMで購入したPC版をプレイしました。
ボリュームは1章当たり8~10時間くらい。
新章は2時間くらいの内容なので全作通してプレイすれば40時間少々くらいのクリア時間かな。
(ボイスについては、日常パートは適度に飛ばしつつ、重要シーンなどは全て聞きながらプレイしました)
ストーリーの分岐はほとんどなく、基本的には1本道に読み進めていく構成になっており、数少ない分岐箇所でバットエンドルートとグッドエンドルートが分かれるくらいでした。
近年プレイしたノベルゲームの中でも、ストーリーの盛り上がりの面で、ここまで熱中してプレイしたものはなかなかないですね!
特に終盤の章は激熱すぎて、一気にプレイしてしまいました!
異能力バトル系の作品が苦手でなければ、かなり楽しめるんじゃないかと思います。
概要とストーリー
概要
『ましろ色シンフォニー』などで有名な「ぱれっと」が送るノベルゲーム。
「ぱれっと」の作品では初の連作作品。
PC版やSteam版は章ごとに分割で販売され、PC版では全ての章をまとめたコンプリートパッケージ版も販売されています。
全年齢版と成人向け版があり、全年齢版はSteamやSwitch、PS4でもリリース中。
Switch版、PS4版は『ここのつここのかここのいろ』~『新章』までの全章が収録。
原画は和泉つばす、SDイラストはぺろ、シナリオはかずきふみが担当。
各章ごとにメインとなるヒロインが決まっており、同じ世界観・同じ舞台でそれぞれのヒロインが主軸となった物語が展開される構成。
ノベルゲームの共通ルートから分岐した後のヒロインルートが、それぞれの章で分割されているような印象でしたね。
1章~3章のストーリーは基本的に独立しているので、それぞれ単体の物語としてもストーリーは理解できると思います。
ただし、4章の『ゆきいろゆきはなゆきのあと』は1章~3章の続き物となっているので、こちらは1章~3章プレイ後に始めるのがおすすめ。
個人的には、1章から順番にプレイしていくのがおすすめ
別の章でもキャラクターや舞台は共通しているため、章を重ねるたびにキャラクターや世界観に関する知識が深くなり、魅力や面白みが増して面白かったです!
ストーリー
白巳津川市。 学園都市であること以外になんの特色もない街。
観光客を呼び込もうと町興しに励んでいるが、どれも不発。しかし、思わぬ形で世間の注目を集めることになった。
ぶっきらぼうな態度をとりがちだが責任感が強く行動力のある頼れる青年。新海翔。
なんだかんだ言いながら周りのことを第一に考える優しい性格である。
普通の学生らしい平穏な生活を送っていたが、白蛇九十九神社の神器が破損したことをきっかけに、翔の日常に変化が訪れる。
その影には、異能に目覚めた少年少女たちの姿があった。
なんの特色も無い街に住む、なんの変哲もない平凡な学生のはずだったが。
異能者たちが巻き起こす数奇な運命に巻き込まれて……。
公式サイトより
良かった点
異能力バトル系作品として面白い!
物語のジャンルは「異能力モノ」にあたると思われる今作。各キャラの能力を活用したバトルや困難に立ち向かっていく展開が面白い!
キャラごとにそれぞれ異なる能力を持ち(能力持ちの人は「アーティファクトユーザー」と呼ばれる)、「他者の所有権の奪取」「存在感の操作」などそれぞれの能力を使いこなし、街で起こる不可思議な事件に立ち向かう展開にワクワク!
「このキャラはどんな能力を持っているんだろう?」と相手の能力を探る展開も、この手のジャンルの醍醐味!
アーティファクトユーザー同士が戦う展開もあり、仲間達で共闘するシーンは熱い。
強敵を倒すために策を巡らしたり、能力の使い方を工夫して戦うのが見ごたえありました。
敵側も強敵が多いため、かなり熾烈な戦いになっていくのも見どころ。
バトルの中で策を巡らしたり、己の力を出し尽くして闘う展開は燃える!個人的に好みのシチュエーションが多く、非常に盛り上がりました。
ヒロインキャラが皆可愛い&主人公も魅力的で好感がもてる!
『9-nine-』シリーズは章ごとにメインとなるヒロインが変わる構成になっており、4人のヒロインが登場します(終章は除く)
このヒロインたちが皆魅力的で良かった!
1章『ここのつここのかここのいろ』では、清楚系のお嬢様なのに妙に庶民的な感覚をもち、優しくて正義感の強い九條 都(くじょう みやこ)
(ちょっと抜けたところが可愛い)
2章『そらいろそらうたそらのおと』では、主人公「新海 翔(にいみ かける)」の実妹で、社交的かつ明るい性格の新海 天(にいみ そら)。
兄とはよく軽口をたたきつつ少々うっとうしがられつつも、なんだかんだ兄にはなついている妹キャラです。
3章『はるいろはるこいはるのかぜ』では、気が小さくておとなしい面と、女王様のような大胆な一面も持つ、主人公の先輩香坂 春風(こうさか はるか)
(しかもオタク趣味で、スタイルも抜群!)
4章『ゆきいろゆきはなゆきのあと』では、主人公達とは別の学園に通い、言動や振る舞いが厨二病的ながらも強い正義感を持つ少女結城 希亜(ゆうき のあ)
パフェが大好きで「パフェクイーン」と呼ばれる一面も。
これら4人のヒロインが皆それぞれ魅力的で可愛いので、どの章も面白かったのはもちろん、メイン以外の章でも各ヒロインが結構活躍するのも良いポイント!
章によって別の一面を見せてくれたり、前章で性格を知ったからこそ何気ない日常会話の楽しさが増したりと、章が進むごとに魅力が上がっていく。
それぞれのヒロインが自分の弱さと向き合い、主人公達と共に困難に立ち向かい成長していく姿に感動するし、感情移入させられました!
それぞれの成長を描きながら、主人公との関係性が深まっていく姿も描かれていたので、より魅力的に映りましたね。
どのヒロインも素晴らしいんですが、個人的には「新海 天」と「結城 希亜」が特に好き。
「新海 天」は声優さんの演技もあいまって、兄との気の置けない関係性や軽妙なやりとりが癖になります。
また、実はビビりなところやヒロインルートの時のいじらしさや甘える姿がめちゃくちゃ刺さる!
「結城 希亜」はギャップ萌えが凄い!
物語序盤では謎の部分も多いクール系で掴みどころのない印象がある人物ですが、4章のヒロインルートの時の可愛さは凄まじくて昂った!
甘える姿の破壊力が高く、1章から順番にプレイしたこともあって、ギャップを堪能できて良かったです。
主人公の新海 翔(にいみ かける)もいざというときに行動できる熱い心の持ち主で、気持ちのいい主人公!声優さんのボイスも非常に合っていてGOOD。
翔が事件に関わっていくきっかけは、「憧れの女の子の都と仲良くなるため」という少々下心もあっての軽いものでしたが、仲間の危機にしっかりと行動できる姿が格好いい。
かなり過酷な事態に直面するシーンも多いので、感情移入せざるを得ない。「よく頑張ったね……!」って気持ちになります!
その他のキャラも面白かったり、カッコイイ活躍をするので、魅力的なキャラばかり。
キャラの魅力は『9-nine-』シリーズの面白さの1つだと思います。
後半になるにつれ、面白さがどんどん盛り上がっていくストーリー!
ストーリーがかなり面白かったです!
1章より2章、2章より3章……という感じに後半に向けてストーリーが加速度的に盛り上がる展開になっており、4章の『ゆきいろゆきはなゆきのあと』は数日間で一気に最後までプレイするほど熱中しました!
1章~3章で散りばめられていた伏線や謎が回収されていく展開。
「これはどうしたらいいんだ……!」と衝撃を受ける展開の連続。
ノベルゲームならではの要素を活用したギミックや演出、そして迎えるラストバトルの盛り上がり。能力系バトルのノベルゲーム作品でこれほど熱量のある展開を味わえて本当にプレイして良かった……!
衝撃を受けたシーンや熱いシーンも色々あるので、未プレイの方はぜひネタバレに当たらないうちに味わってほしいですね……!
あと音楽も良かったです。
場面にあったBGMのおかげで感情が揺さぶられるし、章ごとのOP曲・ED曲がどれも良曲揃い。
僕が特に好きなOPは4章の「DEAR MY WAKER」!
軽快なピアノで始まるイントロから引き込まれ、最終章ならではの集大成感が詰まったメロディーには、テンションが上がらざるをえない。
プレイ後当時は、Amazonプライムミュージックで配信されていたので、何度もリピートしていました。
気になる点
全章購入するとフルプライスタイトル並みの値段
1作品2000円程度と単体ではロープライスで買いやすい値段ですが、4本+新章を購入すると10000円くらいになるので、全部購入するとフルプライスタイトル並みの値段になります。
(僕はSteam版で章ごとに分割販売されていたのを購入してプレイしました)
1本ごとに話の区切りがついているとはいえ、完全に物語を楽しむなら全部購入した方が良いので、始めからそれくらいの値段がかかることは考えておいた方がいいかも。話が面白いのは確かだし!
現在は全シリーズが収録されたPC版やSwitch版、PS4版もあるし、Steam版は時々セールされているので以前よりは購入しやすいはず。
(R-18シーンを見たい人はPC版を購入する必要がありますけどね!)
新章までプレイしないと終わり方がすっきりしないところがある
『新章』はタイトル的に「新しいエピソードが始まるのかな?」とプレイ前は思いましたが、内容は本編の後日譚的内容。
『新章』までプレイして『9-nine-』シリーズの物語が綺麗に終わる感じがあるので、シリーズ通してプレイするならぜひプレイした方がすっきりします。
むしろ、『新章』をプレイしないと「あの後の展開はどうなったんだろう……」と感じるかもしれないので、プレイするのがおすすめ。
現在はSteamでも新章が購入できますし、Switch版やPS4版では新章まで収録されているので、最後までプレイしやすい環境にはなっているのは良いですね。
まとめ
読み進める手が止まらなくなる、とても面白いノベルゲームでした!
ストーリーは面白いし、魅力的なキャラクターも多く、最後まで熱中してプレイできました。
終わった時の達成感と、ストーリーが終わってしまう寂寥感があって良い体験でしたよ!
異能力モノの作品が苦手じゃなく、ノベルゲームの形式に抵抗がない人なら、かなり楽しめる人は多いと思う良作。
後半の章になるごとに面白さが増すので(1章は世界観・キャラ説明が少々強めの印象はあった)、後半の章も通してのプレイがおすすめ。
現在は全章が収録されたPCコンプリート版やSwitch版、PS4版もあるので、そちらの方が最後までプレイしやすくて良いと思います!
(欲を言えばアニメ版を見てみたいけど、アニメで表現するのは色々難しいんだろうなあ……!)
※240529追記 アニメ版が決まりました!嬉しい~~
2022年にプレイしたノベルゲームだとこれも面白かったです!
ノベルゲームだとこれもサクッとプレイ出来て良かった
こちらも、世界観やキャラクターが魅力的!バトルシーンの演出も凄い!
その他のゲーム感想・レビュー記事はこちら
コメント