『LOOPERS-ルーパーズ-』をクリアしたので感想・レビュー！
僕がプレイしたのはSwitch版。
ループする世界に囚われてしまった少年少女達の姿を描くビジュアルノベルゲーム。
コンパクトなボリュームながら、ホラー風味のある不穏な導入、ループする世界で出会う仲間たちとの友情、Key作品の十八番である感動の展開……というバリエーション豊かな展開を楽しめてなかなか面白い！
主人公が明るく気持ちの良いやつなので、ストーリーの雰囲気が程よく明るいテイストで進み、サクサクと読み進められました。
仲間の面々も気の良い奴らばかりで、ワイワイとしたやりとりが微笑ましい。
ヒロインのミアも可愛い！
ビジュアル面では、望月けい先生のスタイリッシュな絵柄が作品の魅力をグッと高めていて良き！
キャラの可愛さを一面に出しているシーンや綺麗な情景などCGも場面に合っており、CG枚数は多くありませんが1つ1つが印象に残りました。
気になった点は、ボリュームの少なさゆえか駆け足気味な展開やキャラ描写をもっと掘り下げてほしかった部分はあったかな。
ソフト価格が安めなので値段的相応ではありますが、少々ボリューム不足に感じたところも。
クリア時間は5～６時間くらいのボリューム。
映画2本分くらいの時間でクリアできるボリュームなので、気軽にプレイできるノベル作品として良いです！
※詳細なネタバレは避けていますが、本編内容に多少触れる部分はあるので気になる方はご注意ください
概要
機種:Switch/PC/アプリ メーカー：プロトタイプ ジャンル：ビジュアルノベル 発売日：2022/6/2（Switch版）
ストーリー
タイラはジオハンティング（ＧＰＳ宝探し）に熱中する高校生。 夏休みのある日友人らとゲームに興じていると、不可解な体験に巻き込まれる。 交錯する現実と幻。狂気に陥る思考。明日が今日になる。 彼らは『時の渦』に呑み込まれ、今日という一日を無限にループする運命に囚われてしまう。 そこで出会うのは、同じく“ルーパー”である少年少女たち。 リーダーのサイモン、そして謎めいた雰囲気の少女ミア。 共に力を合わせ、永遠に続く牢獄から抜け出そうとするが――。
数々の良作ノベルゲームを輩出しているKeyが「純粋なストーリーを動的な演出で楽しむエンターテインメント作品」と称しているキネティックノベル作品の1つ。
シナリオは「竜騎士07」、イラストは「望月けい」が担当。
選択肢による分岐は無しの一本道の構成になっております。
Switch版の携帯モードでは、タッチ操作でプレイすることもできました。
ループする１日に囚われた少年少女達の友情と青春
ジオハンティング（GPSを使用した宝探し）に熱中している主人公タイラが、夏休みのとある日に友人と共にループする一日に囚われるところから始まるストーリー。
ボリューム自体は5時間ほどの内容ながら、バリエーションのある展開や仲間達との友情を感じるシーンが面白かったです！
ストーリー序盤、ループ現象である「時の渦」に吞み込まれていくシーンでは、平穏な日常に徐々に異変が起こっていく不穏さが感じられ、さすが『ひぐらしのなく頃に』シリーズを手掛けた竜騎士07さん！
友人の様子が豹変していく様など、少々ホラーチックな展開はドキドキしながらも、ストーリーに没入させてくれる導入でした。
ループ世界で出会う仲間達であるルーパーズの面々とのやりとりも青春感があって楽しい。
何を行ってもループしてしまう世界で、ジオハンティングを皆で行う場面は、夏休みに友人たちと遊びに熱中する姿を見ているよう。
「小さい頃の夏休み、色々あったなあ～」とちょっとノスタルジックな気持ちになりましたね。
主人公のタイラがかなりポジティブな性格をしているため、ループ世界という危機的な世界でも明るい雰囲気でストーリーが進むのも読みやすい。
タイラは性格も良いんですよね！
仲間たちを褒めたり、盛り上げたりとムードメーカーとして是非友達に欲しいタイプ。
心優しきギャル（しかもビビり）のヒルダも可愛い。
ツッコミするときに頭突きをするという頭脳系（物理）ギャル。
声優さんの演技も合っていて、怖がっているときや喜んでいるときなどに見せる感情的なふるまいがとっても良い。
冷静沈着なサイモンや筋肉系キャラのムードメーカージョウといった男キャラも個性的で好き。
特にサイモンは、頭脳系キャラで記憶力や判断力も高くかなりの有能。
いろいろな場面で頼りになるけど嫌味がなくて好感度が高い。
そして何と言っても、ヒロインのミアが可愛い！
感情をあまり出さないクール系キャラな初印象から、タイラ達と出会い交流をしていく中で、徐々に感情豊かな面を見せていく姿が愛おしすぎる。
もっと、ミアとの日常シーンを見せてくれ……！
Key作品の十八番ともいえる感動シーンも本作にしっかり用意されています。
ストーリー展開は予想しやすいものではありましたが、ストレートに感動できて良かったです。
個人的には、ヒルダとレオナの友情関係が刺さりました。
コンパクトなボリュームながら、バリエーション豊かな展開を楽しめたので、序盤から終盤まで飽きることなくプレイ出来ました。
グラフィックがスタイリッシュかつ可愛い！
望月けいさんが描くキャラクターデザインが、スタイリッシュかつ可愛くて目を惹かれます！
（今作をプレイしようと思った理由の一つは、パッケージイラストに惹かれたのもある）
ビビッドな色彩が特徴的で、CG全体がスタイリッシュな印象なのでかなり特徴的。
CGが表示されるたびに、「良いCGだ……！」と思いましたね。
どことなく非現実的で幻想的な感じも、ループする世界という特殊な舞台を際立たせていることに一役買ってる印象。
コミカルさや可愛さを押し出したCGもあって、これもまた良き！
普段がクールでスタイリッシュな印象を受けるCGが多い分、ギャップ的な可愛さもあって魅力的！
CG数自体はそれほど多くはないのですが、印象的なCGが多くて満足しました。
（欲を言えば、もっといろいろなCGを見たかった……！）
少々駆け足気味な展開やキャラの掘り下げが欲しかった箇所もある
展開が駆け足気味に感じる場面がいくつかありました。
ボリュームがコンパクトなのはプレイの敷居が下がるので良いのですが、もう少し深堀してほしかったシーンもありましたね。
特にルーパーズの仲間達との描写はもっと描いてほしかった。
ホリーやリタポンといった個性的かつ出自も面白そうな面々がいるのに、バックボーンやピックアップされたシーンがそれほど描かれていない印象を受けたので、それぞれの個別エピソードをもっと見せてほしかったところ。
あと、事態がスムーズに進んでいくところがあるので、「意外とサックリ乗り越えるんだな」と思ったところもありました。
テンポよく進むのは良い点ですが、個人的にはもう一波乱あったほうがもっと盛り上がる展開になったかなと。
ミアとの日常パートももうちょっと多く描いてくれた方が魅力がさらに増したかも。
展開自体は好きな内容でしたが、関係を深めていく過程が少々駆け足気味に感じましたね。
欲を言うなら、エピローグはもう少し見たかったです。
ルーパーズの関係性が好きだったから、もっと見たいという気持ちが湧いちゃいました。
まとめ
コンパクトなボリュームながら、ホラーチックな展開、友情、笑い、感動といった様々な展開がギュッと詰まっていて結構楽しめました！
プレイ時間がコンパクトでサクッとプレイできるため、ゲームをがっつりプレイする時間がなかなか取れない方や、長文を読むのが少々苦手といった人もプレイしやすいノベルゲーム。
イラストもスタイリッシュで惹かれたし、好みのキャラも多かったので、もし続きがあれば見てみたいと思えるような作品でした。
値段も3000円程度とリーズナブルなので、ストーリーやイラストにピンときた方はプレイしてみてはいかがでしょうか？
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